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(37)

D 様



一昨日、積もった雪が、庭に白いまだら模様を描いています。
冬の陽光は、その白さを際立たせはしても、一挙に溶かす勢いはありません。
寒い日が続いています。
それでも、陽光は日一日とその存在感を増し、私は黄昏時の明るさに気付いています。
雪の下には、芽吹く時を待つ草花たちが胸躍らせているはずです・・・。



D様 ー 。
昨日の昼過ぎのことです。
突然、飼犬のパルが吠える声が聞こえました・・・。
居間にいた私は、西側の部屋に行き窓を開けました。

水色の作業服を着た男性二人が、敷地内にいるのが見えました。
自宅の玄関の方を見たり、事務所の方を振り返ったり、ウロウロしています。

「こんにちわ。何か・・・?」
私は、窓から声をかけました。

「ああ、留守かと思いました・・・。先日、お伺いしたT電力の者です。」
この間、電磁波を測定に来たT電力の社員でした。

「その後、どうですか?」
年配の方が尋ねてきました。

「どうですかと言われても・・・状態は同じだと思いますよ。」
私は、やや戸惑い気味に答えました。

そして、「今日も、測定して頂けるんですか?」と、問い返してみました。

「いえ、今日は測定器は持って来てないんですよ。近くまで来たので、ちょっと寄ってみたんです。」

測定器も持って来ないで・・・寄ってみた・・・?
私は怪訝に思いましたが、担当者の次の言葉で、彼らが訪問した目的を知りました。

「ところで、奥さんは電磁波を測定する器械を持ってましたよね?」
年配の方が訊いてきました。

「・・・ええ、持ってますよ。」
「それに付いて、ちょっと聞きたいんですが・・・。メーカーとか、型式とか ー 。」

何のために・・・?

「聞いてどうなさるんですか?」
「・・・会社の方で、契約者がどういうものを持っているか、リストを作ることになりまして・・・」

「リスト・・・? でも、そんな器械を持っている人は、そんなに大勢はいないでしょ?」
「ええ・・・そんなにはいないんですが・・会社で控えておきたいもので・・・」

何か歯切れの悪い返答でした。
「アメリカ製の・・・何とかというものですよ。」
「今、ありますか・・・?」

担当者は、それを見せて欲しいというのでした。
私は、奥に戻り、それを持ってきました。

私が、差し出した電磁波測定器を手に取り、年配の方がメモを取り始めました。
もう片方の社員と小声で確認しながら・・・。
「・・・エーッと・・これかな・・品名は?」

そんな二人の様子を見ながら、私はまた同じ疑問が浮かんできました。

リスト・・・? 何のために・・・?
型式まで控えて、どうすると言うのだろう・・・。

二人はメモを取り終えると、「何かありましたら、連絡ください」と、ありきたりの言葉を残して帰って行きました。
その後姿を見て、私は漠然とした憂うつ感に捉われたのでした・・・。

D様ー。
私が、どんな測定器を持っているのか、調べる理由は何だと思われますか?
個人が持っている、測定器のリストを作ってどうすると言うのでしょう・・・。

この国に張り巡らされた「透明な網」・・・それは至るところにまで及んでいます。
それに気付いている人は、どれ位いるのでしょうか・・・。




D様、次に ー 。
前回予告した、S会信者である友人について書きたいと思います。

4年前の元日ー。
私は、自分宛に届いた年賀状を見ていました。
縁起良い絵柄に、新年を寿ぐ賀詞・・・どれも正月らしさに溢れていました。
印刷したものでも、手書きで近況などが書かれていて・・・懐かしがったり微笑んだり・・・。
私は、元日の幸せなひと時を過ごしていました。

次々に見ていた私ですが・・・ある1枚に手が止まりました。

「これは・・・何・・?」

それは、絵ハガキでした。
薄いブルーが一色だけ・・・ぼんやりと川らしきものが写っていました。
下の方に「Kamogawa」と白い文字が浮かんでいます。
冬の京都の風景のようでした・・・賀詞は何も書かれていません。
どことなく陰気な写真でした。

私は、裏返して宛名面を見ました・・・そして、思わず眉をしかめました。
私の名前が、薄く鉛筆で書かれてたのです。

宛名面には、上下を仕切る直線が引かれていてー、
その上半分が宛先を書く欄 ー そこに、私の住所と名前が書かれていました。
鉛筆の薄く細い文字で・・・。

下の部分に賀詞らしきものが書いてあります・・・「あけましておめでとうございます」
それも鉛筆書きの薄い文字でした。

陰気な年賀状・・・。
正月らしさはどこにもありません。

年賀状を始めとして、お祝い事の際の文字は、濃く勢い良く書くのがマナーです。
薄墨は、不祝儀の時の文字・・・。
「なんて非常識なんだろう・・・・。」


差出人は、W子でした・・・私の高校時代のクラスメートです。
彼女は、宗教法人S会の熱心な信者です。

高校時代のW子は、物怖じしない活発な生徒でした。
私とは、特に親しい方ではなく普通のクラスメートでした。
卒業して10年位が経った頃、ふとしたきっかけで、飲みに行ったりするようになったのです。

でも、付き合いにはムラがあり、頻繁に会っていた時期と、疎遠にしていた時期が混じっています。
彼女が隣県に嫁ぎ、子育てに没頭している時期は、会う機会はほとんどありませんでした。
子供たちに手が掛からなくなった頃から、また、時々会うようになったのです。


高校時代の彼女は、S会の信者ではありませんでした。
彼女の家族にも、信者はいなかったと思います。

彼女が入信したのは、隣県に嫁いでからです。20数年前だと思いますが、その詳しい経緯は知りません。
話の折の言葉をつなげば、勤めていた会社の経営者が、信者だったようです。
もともと宗教を受け入れるという素地があったのかも知れません・・・彼女は熱心な信者になりました。

信仰は自由であるし、それは彼女が選んだのですから、私はそれについては何も言いませんでした。私がS会に関わることはありませんが、それ以外での付き合いは続けていたのです。

彼女が実家に帰って来た時などは、必ず連絡をして来ましたので、会って他愛のないおしゃべりに興じたものです。


彼女は年々、S会の活動に熱心になっていきました。
選挙の時期になると、中学や高校の同窓会名簿を持ち、同級生だった人たちの家を訪問するのです。
久ぶりの懐かしい顔に歓待した人も、K党への投票依頼という、その意図を知れば興ざめするようでした。
私にも、その時期は必ず電話をして来ました。

しかし、S会信者でない者が、K党に投票することなどあるのでしょうか・・・。

また彼女は、S新聞の購読を依頼してきたこともあります。
私は、1ヶ月とか、3ヶ月だけ ー という条件で、何度か承諾したことはあります。
しかし、内容を読むことは、まずありませんでした。

ある時、彼女がまた、「1ヶ月でいいから ー 」と、新聞の購読を頼んできたことがありました。
通常ならば、私は承諾したと思います。しかし、その時は別の義理があり、すでにS新聞を取っていた時でした。

私は事情を話し、断わりました。
すると・・・返ってきた言葉に私は驚きました。

「もう一部くらいは取ってもいいでしょう。 私も今、2部取ってるのよ。」

彼女は、S会信者という自分の立場と、S会以外の一般の者を混同しているのでした。

S会の信者なら、何部でも取って、拡販に協力すればいいことです。
しかし、信者以外の者が、なぜ2部も取らなければならないのでしょう。
彼女には、その客観的な視座がありませんでした・・・。


また、4年ほど前のある日ー。
彼女が、我が家に、遊びに来るという日でした。

当時、彼女は県内のF市に住んでいました。このY町までは、車で2時間近くかかります。
夫が留守の日でしたので、泊りがけの日程で ー と言うことになりました。

久しぶりに、ゆっくり語り合える・・・私はその日が楽しみでした。
私は、前日に買ったビールを冷蔵庫に入れ、料理の段取りをし・・・W子が来るのを待ちました。

予定時刻の午後2時から、1時間ほど過ぎた頃、敷地内に車が入る音がしました。
窓から外を見ると、彼女の車です。
「ワォ、やっと着いた・・・」
私は、小走りに外に出ました。

しかし・・・。
外に出た私の目に映ったのは、彼女と見知らぬ二人の女性でした。

この二人、誰なのだろう・・・。
私は怪訝に思い、W子を見ました。

「ワァ、久しぶり!・・・」
彼女は、満面の笑顔で言いました。
「アッ・・・紹介するね。○○さんと△△さん・・。私が1番信頼しているお友達・・。」

一人は60代と思われる小太りの女性、もう一人は40代位の痩せ型の女性でした。

「今日、一緒に泊まってもいいでしょ?」
W子が、笑顔のままで言いました。

私は、言葉を失いました。

一緒に泊まる? 何を言っているのだろう・・・?
見知らぬ人を・・・我が家に?
事前に何の話もなく・・・?

私は、驚きと怒りで、言葉が出ませんでした。

「心配しないでいいから・・・二人分の布団は持って来たの。
 ホント、何にも構わないでいいからね。ご飯も外で食べて来るし・・・。
 夜は、皆でおしゃべりでもしよう。」

W子は、こちらの気持に頓着する様子もなく言いました。

二人の女性は、S会の信者でした。
三人掛かりで、私にS会への入信を勧めると言うことなのでしょうか・・・。

生理的な嫌悪が襲って来ました・・・。
そして、私はとっさに機転を利かせたのです。

「Wちゃん、ゴメン・・・急に、I市に行く予定が出来ちゃったの。これから、書類を持って行くところなのよ。
 帰りはたぶん遅くなると思う。」

精一杯の嘘でした・・・これぐらいの嘘は、許されると思いました。
しかし、W子はめげませんでした。

「そう・・・でも大丈夫。私たちで御飯食べたりして、待っているからー。
 遅くなってもいいよ。ホント、気にしないで。」
「でも・・・。」
「ホント、大丈夫だから!・・・ネェ?」

W子は、傍らに立っている二人に同意を求めました。
「本当に大丈夫ですよ。気にしないで行って来て下さい。」
二人は笑顔で言うのでした・・・。

結局、私は出掛けることになりました。書類らしきものを持って・・・。
三人は取り合えず、事務所で待って貰うことになったのです。

「私たちのことは心配しないでいいよ。ここでおしゃべりしてるからー。お茶菓子も持って来たのよ。お腹が空いた ら、外で食べて来るし・・・。」

私は、事務所の鍵をW子に預け、車を出しました。


何てことだろう・・・。
どうやって、時間をつぶせがいいの・・・?

私は運転をしながら、途方に暮れました。

I市に向かう国道沿いに「道の駅」があります。
地元の農産物や特産品などを売っているのですが、レストランと温泉施設も併設されています。
私はそこに車を入れました。
取り合えず、サウナで時間をつぶそうと思ったのです・・・。

ゆっくり過ぎるほどサウナに入り、レストランでぼんやりと外を眺めているうちに・・・薄暗くなって来ました。

私はW子に電話をしてみました。
「・・・全然、大丈夫よ。今、三人で御飯を食べてるの。用事は済んだの?」
「うん・・・じゃ、私は途中で、サッと温泉に入ってから帰るね。」

湯上りの顔は、隠せないと思ったのです。


結局、三人は我が家に泊まりました・・・。
S会の話には全く興味を示さない私に、三人はその話をあきらめたようでした。

三人は、夫の和室に布団を敷いてもらい、そこで寝てもらいました。
夜遅くまで、楽しそうに話す声が聞こえていました・・・まるで修学旅行にでも来たように ー 。


非常識な年賀状・・・。
私は、W子からのハガキを見ながら、数ヶ月前のその出来事を思い出していました・・・。

彼女は当時、私を入信させようと必死だったのかも知れません。
S会に関する本や冊子を送って来たり、活動の様子を、手紙やハガキで知らせて来ていました。
しかし、私がそれに興味を示すことはなく、彼女の一方通行でした。


どんな宗教も信仰することは自由ですし、誰もそれを妨げることは出来ません。
W子がS会の信者であることは、もちろん彼女の自由です。
しかし、私がそれに関わることはあり得ません。

W子は、すべてがS会中心の生活です。それと関係あるのかどうかは分かりませんが、彼女の「常識」は、社会一般のそれとは、少しズレが生じているようです
友人の家に泊まりに来るのに、いきなり見知らぬ人を連れて来るとは・・・・
また、薄い鉛筆で書いた年賀状にしても・・・。

この組織犯罪にS会が関与していることは、多くの被害者が証言しています。
強い信仰心を持つ者を操ることは、そんなに難しいことではないと思います。
巧妙な暗示、あるいは誘導で、思うように動いてくれることでしょう・・・。


D様 ー 。
私は以前の手紙に、自宅近くの交差点で自動車事故を起こしたことを書きました。
(それは、W子が三人でやって来た日の何ヶ月か前のことです。)

悪いのは、私の方であることは確かです。赤の点滅信号はこちらだったのですから ー 。
しかし、不可解な事故でした・・・。

交差点で私が見た閃光は何だったのか・・・?
ちょうどその時、交差点に入って来た車 ー そして、衝突 ー 。
運転していたのは、S会の女性信者でした。


事故の現場検証をしている時 ー 。
ポケットの携帯電話が鳴りました。
それは、W子からでした・・・明日の予定をキャンセルするという電話 ー 。
その時も、遊びに来るという前日だったのです。

寄りにもよってこんな時に・・・。
私は、事故のことは何も言わないまま了解し、電話を切ったのでした。


D様ー。
これらは偶然なのだと思います・・・。
しかし、脳裏にホンの少しだけ、割り切れないものが残っているのです。




さて、D様ー。
私は、以前、この組織犯罪を受けるようになった理由は、分からないと書きました。
それは、今も同じなのですが、「もしかしてあれが・・・」と思うことがいくつかあります。
次回の手紙に、それを書かせて頂きます。


立春を過ぎましたが、朝晩の冷えは身をすくませるほどです。
どうか、健康にご留意下さいますよう ー 。




                                             2010.2.4
                                                 万 留 子


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Re: No title

匿名希望さんへ

コメントありがとうございます。
お礼が遅れまして、申し訳ありません。

大変な会社のようですね。
この不景気な時世のなかで、生き残るために必死なのでしょうが、
最低限度の企業倫理は、必要だと思います。

そんな中で、プライドを失わずに働いていくのは至難のことだと思います。
でも、食べるためには・・・私も、きれい事を言える立場ではありません。

とにかく、生きていくこと・・・それが大切なのかも知れません。


No title

社名は《日本PCサービス株式会社》
PC修理で超ブラック企業

東芝やシャープ、セコムやアビバ、楽天証券、イーモバイルなんかの下請けで出張修理をしてる会社だが
・残業は月平均で120時間。オールサビ残
・休日出勤を上司に指示されても休日出勤手当ても振り替え休日もなし
・客を騙してでも金を獲って来いといわれる
・もちろんボーナスもなし
・28歳で入社したが、月収は全込みで18。交通費も込み
・上司命令で客のパソコンをパクって来いと平気で言われる
・入社したやつの2/3は3ヵ月後にはいない
そんな会社だ

□まとめwiki□
【日本PCサービスってどうよ】
http://www39.atwiki.jp/jps4900/

□スレ□
日本PCサービスってどうよ 【訪問2件目】
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/venture/1262292574/l50

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ミセスまるこ

Author:ミセスまるこ
命ある限り書き続けます。

記事のアップが遅くなってしまいました。お詫び致します。

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接続診断をしても、問題はなく・・・遠隔操作による悪質な妨害だと考えています。

アップまでに何時間もかかってしまいました。それでも、私は書くのを止めることはありません。今後とも応援していただければ幸いです。


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<初めて御訪問の方へ>

この小説は、どの回もほぼ独立した形式になっています。繋がりがあるとしても、その回の前後だけです。でも、時間があれば(1)から読んで頂ければ嬉しく思います。そして、今後ともよろしくお願い致します。
尚、この小説は事実をもとに書かれています。


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