スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

(26)

D 様


昨日、この地に降り注いだ雨は、明け方には止みました。
今日の空には、雨の名残りの濃いグレーの雲が浮かんでいます。
雲は大気に動かされ、陽射しが時おり、この町を照らしますが、
秋の清涼さはなく、どんよりした空気があたりに漂っています・・・。
この静かな日に、私はあなたへの手紙を書いています。


D様 ー 。
先日、私は、あるハイテク機器に驚かされました。インターネット上の、あるサイトに掲載されていたのです。
それは、歯の中にレシーバーをインプラントする技術についてでした。

デジタル信号を受信できるレシーバーを、歯に埋め込めば、受信機を持つことなく、外部からの声や音を聞くことが出来るというのです。応用は多岐にわたり可能で、その技術は、少なくとも7年前には開発されていたのでした。

D様、あなたはすでに御存知だったのかも知れません。

ハイテク機器は日進月歩で進化しています。この間は、ペン型の録画機が安価で売られていることに驚いたのですが、このインプラントレシーバーも、一般に、普及する日は近いのでしょうか・・・。

この組織犯罪の被害者の中には、「歯に盗聴器をインプラントされる」などと言う人がいます。私はそんなサイトは、Kの息がかかったものか、自作自演だろうと思っていました。
しかし、技術的には可能な時代になっているのです。
治療を受けてる歯科医院で、いつの間にか・・というようなことも、有り得ない話ではありません。
この犯罪の協力者は、どの分野にでもいるのですから・・・。

被害者の中には、電磁波や超音波による被害を訴える人も少なくありません。
エキセントリックに騒ぎ立てているようなサイト(これも、Kによる自作自演だと言われています)も多いのですが、これを排除しつつ検索を続けていくと、被害者の切実な訴えに行き当たります。

電磁波を放つ銃や機器は、現実に存在していますし、それらの写真を掲げて被害を訴えている人たちもいます。被害者が訴える被害の実態は、具体的であり現実味があります。

被害を訴える人を、精神異常者に仕立て上げようとしても、もう無理な段階が来ているのだと思います。
この組織犯罪は、この日本の社会で生きる誰もが、被害者になる可能性があります。
そして、その確率は小さいものではありません。
社会がこの問題を認知し、犯罪の暴露に取り組むべき時は、とっくに来ているのです。

実はD様、この電磁波の被害には、私自身も遭っていると考えています。
キーンという耳鳴りと共に、ピリピリしてくる肌、そして、全身の血液が細かく波打つような感覚・・・。

それは、日常的に私を襲っています。

電磁波が、身体に悪影響を及ぼすことは知られています。
私の健康が蝕まれていくとすれば、D様、その病気と症状を、あなたに詳細に報告していきます。
症状に、電磁波の被害を訴える人たちと、共通するものがあれば、また、研究により判明している、身体への影響と共通するものがあれば、その被害の可能性は濃厚となります・・・。



さて、前回の続きを書くことにします。

その日のブライティングは、続きました・・・。

私とパルは、公園を出て、来た道を戻りました。
そして、先刻は渡らなかった橋を渡り、向こう岸に向かいました。
橋は、片側一車線で、それぞれ歩道が付いています。

あたりは暗さを増していました。
歩道を歩く私たちの側を、時おり車が行きかいます。

向こうから人が歩いて来ました・・・。
黒っぽいトレーナーの上下に、白いキャップを被っています。
歩く動きに合わせ、手元の光が揺れています。懐中電灯を持っているようでした。
光の輪が、足元を不規則に照らしながら近づいて来ました。

すれ違うまであと5メートル位という時・・・。
突然、顔に強烈な光が当たりました。私は眩しさに顔をしかめ、立ち止まりました。
その男が懐中電灯を向けたのでした。

懐中電灯は、かなり強い光を放つものでした。
その光はすぐに逸らされましたが、男は黙って私の横を通り過ぎていきました。
何だろう・・この人は・・。
私は、思わず男の行った方を振り返りました。
何事もなかったように、同じ速度で歩いて行く男の後姿がありました・・・。

私とパルは、また歩き始めました。
橋を渡り終え、左に曲がると、来た時と反対側の土手沿いの道に出ます。
私たちは、土手を下りる道を歩いて、川原に出ました。
川原は、愛犬家たちが寄り集まるところで、皆、それぞれの犬を連れては、散歩にやって来ます。
しかし、その日の薄暗い川原には誰もいませんでした。

私は再び、パルのリードを外しました。
パルは大喜びで川岸の方に走って行きました。あと私は、マイペースで歩いていればいいのです。
パルはちゃんと、目の端で私を捉え、付かず離れずの距離を保ちながら付いて来ます。

私たちの散歩コースは、行きと帰りに、川にかかる二本の橋を渡り、四角になる道のりを歩きます。橋と橋の間は5,6百メートルで、橋の長さは百メートル位 ー 家からの距離を入れれば約2キロの散歩になります。

私はひとり川原の道を歩いていました。
パルは、どこに行ったのか姿が見えませんが、いつものことです。私は、気にすることなくマイペースで歩いていました・・・。

薄暗い景色のなかで、異様な赤色が見えました。
向こう岸 ー 先刻、通ってきた消防団の駐屯所からの光でした。
小雨に反射して、あたりを赤く染めています。陰気な赤でした・・・。

さっきは、点いてなかったのに・・・・。
通常は無人のところですから、私たちが通り過ぎてから、誰かが来て、
点けたのでしょう・・・。

私は再び歩き始めました。
そして、向こうの橋まで間もなくという時・・・。
向こう岸に見えるデイケアセンターの屋根の西端が光りました。
屋根の一部分に閃光が走ったのです。

D様ー。
私は、その頃すでに、ターゲットに対するガスライティングの手法に、「ブライティング」というものがあることを知っていました。その夕方、光は、私に驚愕や不安、恐れなどの感情を呼び起こしました。
しかし、私の脳には、冷静にその手口を観察している部分もあったのです。私はその日、ブライティングの様々な方法を知ることになりました。

私は、橋の方へ向かって歩き続けました。
橋のたもとに、川原と上の土手を行き来するための、石の階段があります。
その階段を上がり、左に曲がれば橋のたもとです。更に左に曲がり、橋を渡れば四角の最後の一辺を歩くことになります。そして、橋を渡りきり右に曲がれば消防の駐屯所です。

私は石段を上らず、橋の下を通って、もう少し向こうに行こうと思いました。
橋の下をくぐれば、間もなく行き止まりです。川幅が狭くなり、そこから先は川原がなくなります。

間もなく行き止まりという時・・・。
バァーンという銃声のような音が鳴り響きました。
私はギクッとして、反射的に音がした方を見ました。
先に見える竹藪の後ろが光りました。

私は立ち止まり、辺りを見回しました。
散弾銃を撃ったような音・・そして、正体不明の光・・・。
人影はなく、周りは薄暗く静まり返っていました・・・。
強い不安が私を襲いました。

私は、パルを呼びました。帰ることにしたのです。

私たちは、また橋の下をくぐり、石段を上りました。
私とパルは、橋の上を歩き始めました・・・。

向こうにチカチカする眩しい光が見えました。
自転車のライトでした・・・。
自転車を押しながら、誰かが歩いてきます。
そばをもう一人が歩いていました。

乗っているわけでもないのに、自転車は強烈な光を放っていました。
しかも、速い間隔で点滅しているのです。
自転車のそのようなライトを見たのは、初めてでした。

歩いて来たのは二人の女性でした。
二人は無言で通り過ぎて行きました・・・。

橋を渡り終えると消防の駐屯所です。
シャッターを開けた車庫の中で、消防車のランプがぐりぐると回っていました。
赤い光が反射して、辺りを異様な情景にしていました・・・。

私とパルは歩き続け、閉店したスーパーの駐車場に差し掛かりました。
暗い中に、光を放ちながら立っている人が見えました・・・。
警備員のようでした。制服の上にいくつものランプが点いた着衣を付けています。
遠くから見るその光は、ギラギラとして不気味でした・・・。

何故、あんなところに立っているのだろう・・・?

私たちは、その光の方に歩いて行きました。

「こんばんわ・・」
私は、その警備員に挨拶をしてみました。
「何か、あったのですか?」
私の脳の冷静な部分が、更に言葉をつなぎました。

近くで見る警備員は、人の良さそうな中年の男でした。
「いや、立っているように言われてるんでね・・」
「誰もいないところに・・?」
「今日、商店街でイベントがあったんで、この駐車場も使わせてもらったんだよね」
「でも、車なんて、ほとんど停まってないじゃないですか?」
「俺もそう思うんだけど、急遽、こっちに回されてね。時間まで立ってなきゃならないんだよ」
「・・・大変ですね・・」
私とパルはその場を離れ、歩き始めました。

通りを渡り、振り返ると、ひと気のない暗い駐車場に、光を放ちながら立っている男の影が見えました。
異様で不気味な光景でした・・・。

家の近くの病院の駐車場を通り抜け、私たちは家に戻りました。
隣のアパートに外灯が点いていました・・が、一ヶ所だけです。
他のいくつかの外灯は、切れてしまったのか、点いていません。

点いている外灯は、切れかかり点滅していました。
切れかかった蛍光灯は、その一角を照らしては、また暗くするということを繰り返し、あたりをより陰気にしているのでした・・・。


D様、私はパルと散歩に出ると、いつも誰かに見られているような気がします。
散歩コースからは、NTTの通信塔や、消防の火の見やぐら、警察書の無線塔などが見えます。
たとえば、このような高いところにカメラを設置すれば、広範囲にあたりを監視することが可能となります。
川原を散歩する者たちなどは、明瞭に観察することが出来るでしょう。

D様、うがち過ぎだと思われますか?

しかし、ハイテク機器の進歩は、監視社会をより磐石なものにしているはずです。
以前に書きましたが、現在は、盗聴器など付けなくても、焦点を合わせた建物内部の声や物音を、遠く離れた場所から聞くことが出来る機器があるのです。4年ほど前に、警視庁の公安OBから聞きました。
以前、仕事上のことで、夫と付き合いがあった人です。

科学の進歩は、社会を豊かにしてくれるのでしょうが、その使用を誤れば、私たちを苦しめる存在にもなってきます。使用する側の暴走を、阻止する歯止めが不可欠なのだと思います。



さてD様ー。
現在、若い夫婦が息子と三人で入居している貸家には、以前、老夫婦が住んでいました。
彼らは、それまで首都圏に住んでいたのですが、老後をこの地で暮らすことにしたのです。
しかし、・・・。


D様、次回の手紙にこの続きを書きたいと思います。


このところ不順な天候が続いています。
ご健康にはくれぐれも御留意下さいますよう ー 。



                                                      
                                               2009.11.12

                                                    万 留 子

   

人気ブログランキングへ

コメントの投稿

非公開コメント

最新トラックバック

プロフィール

ミセスまるこ

Author:ミセスまるこ
命ある限り書き続けます。

記事のアップが遅くなってしまいました。お詫び致します。

記事をアップしようとすると、動作がフリーズするのです。異様な重さのあと、「表示できません」の画面となります。
接続診断をしても、問題はなく・・・遠隔操作による悪質な妨害だと考えています。

アップまでに何時間もかかってしまいました。それでも、私は書くのを止めることはありません。今後とも応援していただければ幸いです。


人気ブログランキングへ



<初めて御訪問の方へ>

この小説は、どの回もほぼ独立した形式になっています。繋がりがあるとしても、その回の前後だけです。でも、時間があれば(1)から読んで頂ければ嬉しく思います。そして、今後ともよろしくお願い致します。
尚、この小説は事実をもとに書かれています。


<記事の更新>
毎週木曜を予定

※この小説の舞台となっているのは下記の地域です。

福島県双葉郡富岡町本岡字本町


※上記写真の犬を見かけた方は御連絡下さいますようお願いします。今年8月に、突然、いなくなりました。

最新記事
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。