(49)
D 様
昨日、降り続いた雨は、朝には上がっていました。
薄い雲を通した、柔らかな陽射しが庭に注ぎ、
木々の若葉は、心地よげに南風に揺れていました。
地面に残る湿りは、太陽と風が、空へと運んで行くことだろう・・・。
そう思っていた午前中 ー。
しかし、午後のにわか雨は、束の間の陽を浴びていた花々を、水のつぶてで打つのでした。
陽をさえぎる厚い雲・・・。
この季節らしい陽光の日々 ー それを願わずにはいられません。
さてD様 ー。
民主党の事業仕分けの第2弾が終わりました。
この事業仕分けには、国民の期待と喝采、そして落胆と批判が錯綜しています。
それだけ、注目された訳ですが、いずれにしろ、旧ソ連の官僚国家かと、見まごうばかりのこの国の体制に、
楔を打ち込んでくれることを、願わずにはいられません。
さて今回、この事業仕分けの対象となった独立行政法人の中に、私の興味を惹いたものがありました。
「理化学研究所」という法人です。
「独立行政法人・理化学研究所」ー 私には、この法人についての知識が、ほとんどありませんでした。
今回、この法人に興味を惹かれたのは、「スーパー・コンピュター」というキーワードでした。
私の無意識の中のアンテナが、それを捉えたのです。
何故か・・・?。
(前回の事業仕分けでも、「スーパー・コンピューター」の開発は、話題になったようですが、興味が惹かれることはありませんでした。蓮舫議員の言葉の一部だけが、取りざたされた報道に、辟易していたのです。)
D様 ー 。
私は、昨日、この理化学研究所のホームページを開いてみました。
そして、その研究内容の多様さに驚きました。
ここでは、日本の科学技術の、最先端の研究がなされているのでした。
ありとあらゆる研究がなされている ー と言っても過言ではないと思います。
研究科目は、何百という数になるでしょう。それは、「チーム」とか、「ユニット」とか。「グループ」などと呼ばれ細分化されています。
例えば、「X線自由電子レーザー(XFEL)」の研究 ー 。
ホームページの紹介によれば、
「XFELとは、物資を電子レベルの大きさで、かつ、瞬時の動きを観察することができる ー と考えられている、全く新しい「夢の光」です。そのための基礎研究にとどまらず、広く国民の生活に、有意義な影響を及ぼすような、画期的な光源として期待されています。」 (これは、日米欧がしのぎを削っている研究のようです。)
そして、現在、兵庫県の播磨科学公園都市に、XFELの広大な研究施設が建設されていて、本年度完成する予定とのことなのです。
「独立行政法人・理化学研究所」においては、多岐に渡る科学分野で、このような最先端の研究が行なわれているのです。
そのひとつが、脳科学の研究 ー 。
理化学研究所の広大な施設内に、「脳科学総合研究センター」という研究所があります。
ここは、ノーベル賞受賞者の利根川進氏が、センター長を務めている研究所です。
この中には、70近くの研究チームがあります。
例えば「心と知性への挑戦コア」という科目には ー、
「脳研究機能表現研究チーム」「脳統合機能研究チーム」「創発知能ダイナミクス研究チーム」「動的認知行動研究チーム、「認知動力学研究チーム」「象徴概念発達研究チーム」「言語発達研究チーム」「生物言語研究チーム」「理論統合脳科学研究チーム」「適応知性研究チーム」・・・があります。
その他に、
「回路機能メカニズムコア」に、11チームと6ユニット、
「疾患メカニズムコア」に、12チームと3ユニット、
「先端基礎科学技術研究コア」に、6チームと3ユニット
「研究基礎センター」に、4ユニット・・・。
その他に、「理研BSI-オリンパス連携センター」「理研BSI-トヨタ連携センター(8ユニット)」と「神経情報基礎センター」「情報センター」などがあります。
素人には、テーマすら理解不能ですが、その多様性がお分かり頂けると思います。
(理研のホームページには、これらの脳科学の研究が紹介されています。そのチームの名称をクリックすると画面が開き、簡単な説明が載っています。ただ、この中の「意識集中・眠気連携ユニット」という部分だけは、開きませんでした。※2010.4.28確認)
D様 ー 。
私は、46通目と47通目の手紙に、脳内に埋め込むマイクロチップについて書きました。
脳内に埋め込んだマイクロチップは、その脳の情報をスーパー・コンピュターに発信します。
それが映像化され、その脳の動きが観察できるのです。
また、スーパーコンピューターの方から、脳内のマイクロチップに「指示」を発信することも可能です。
勿論、それは秘密裏に進められている研究であることは、言うまでもありません。
理化学研究所には、このスーパーコンピューターが備えられています。
だから、ここで脳内のマイクロチップの・・・そんな拙速な結論は、出そうとも思いません。
ただ、「脳科学」と「スーパーコンピューター」・・・そのような研究には、この理化学研究所は、最適な研究機関であることは確かです。また、脳科学の研究には、被験者が不可欠であることも確かなこと ー 。
D様 ー 。
この組織犯罪の被害の訴えは、日本全国の至る所から上がっています。
その中で、最近、「埼玉県には被害者が多い」という記述がネット上に載っていました。
この理化学研究所は、埼玉県の和光市にその本拠地があるのです。
偶然の符合であることを、願わずにはいられません・・・。
次に ー。
前回の続きを書かせ頂きます。
それは、4年前のこと ー 。
私は朝食の片付けが終わり、居間でお茶を飲んでいました。
目の前にはテレビがあり、朝のワイドショーが放映されていました。
何気なく画面を観ていた私は、突然、驚愕しました。
目の前に、異様なものが現れたのです。
キラキラ光る歪んだ円形 ー 欠けたガラスを寄せ集め、真ん中を繰り抜いたような・・・。
「何これ?」
それは、目をつぶっても消えません。目をつぶれば、今まで見えていた他のものが消え、それは闇を背景に、
余計に際立って見えるのでした。
目に表れた異常・・・。
私は慌て、視線を方々に動かしました。
しかし、それは目の動きに伴って移動し、目の前から消えることはありません。
「医者に行かなければ・・・」
私は、洗面所に行き、鏡を見てみました。
鏡に写る自分自身の姿の前に、やはり同じものが浮かんでいます。
私は、半ばパニック状態で、病院への身支度を始めました。
「保険証、財布・・・免許証・・車で行けるかな。」
心臓が高鳴っていました。
しかし、それは現れた時と同様、突然、視界から消えたのでした。
何ごとも無かったように ー 。
異様な映像は消えました・・・。
私は、身支度の手を止め、しばし呆然としました。
一体、これは何なんだろう・・・。
急に、めまいにも似た疲労感に襲われました。
私は、自分のベッドに、倒れ込むように横になりました。
「医者に診てもらわなければ・・・」
頭の中に、その言葉が反響し合っていました。
どれほどの時間、そうしていたでしょうか・・・?
私はハッとして、起き上がりました。
目の症状は消え、体には何の違和感もなくっています。
通常の日常が送れる状態です。
「病院へは、明日、行くことにしよう・・・。」
D様 ー 。
貴方は、ご存知だと思いますが、私は、面倒なことを後回しにするという、悪い癖があります。
無理に気力を奮い立たせて ー ということが出来ないのです。
あとにあとに回して、目の前にそれが突きつけれた状態になって、初めて取り掛かるのです。
早く済ませればいいものを、それが出来ません。
そんな時にも、その悪い癖が出るとは、自分でも驚きでした。
「明日、必ず病院に行けよ。」
夕食時、私から話を聞いた夫は驚き、何度も念を押すのでした。
翌日 ー 。
「今日は、いろいろと用事が多いから、病院へは明日に行こう・・・」
私は、また、日延べをしました。
その繰り返しで、1週間が過ぎた頃・・・。
それは、また、突然現れました。
掃除機をかけていた時に、ふいに現れたのです。
私はその場にうずくまりました。
「また・・・消えるはず・・・。」
目を瞑っても、消えることのない映像・・・それは私の心臓を高鳴らせ、体を脱力感で包みました。
そして、5、6分で消えました。
翌日、私はI市の眼科に行きました。
K眼科は、I市内の眼科としては大きな医院です。
登録している医師の数も、10人以上はいるようでした。
待合室に電子パネルがあり、医師たちを紹介する映像が流れていました。
所在なげに、そのパネルに視線を向けている患者たち ー 。
当然、私も待たされ・・・ウンザリし始めた頃、ようやく名前が呼ばれました。
そして、視力検査と眼底検査 ー 。
また、待たされ・・・。
「結果は、明日、聞きに来たいと思いますが・・・。」
受付でそう言って帰ろうかな ー そんな不埒な考えが、頭をよぎるのでした。
ようやく名前がよばれ、私は診察室に入りました。
小太りの若い医師が、カルテを見ながら椅子に座っていました。
看護士から、診察椅子に座るように促され、私は医師の前に座りました。
やがて医師は、カルテから目を離して私を見ました。
「視覚器に異常はありません。」
つまり目そのものは正常だということ・・・?
それじゃ、現れた症状の原因は何なのだろう・・。
私は、医師の次の言葉を待ちました。
しかし、何も言いません。
「先生、それでは、私の症状の原因は何でしょうか?」
私の方から尋ねました。
「・・・脳の血管とか・・そちらの方かな ー 。いろいろ原因は考えられますが・・・。」
何か、歯切れの悪い言い方なのです。
積極的に説明する ー という感じではありません。
「先生、原因は脳の方にあるということなのですか?」
「視覚器には異常はないので・・・そういうことですね・・」
結局、それだけでした。
別の診療科を勧めるとか、紹介状を書いてくれるとか ー それもありません。
私は、釈然としないままに、帰途に着いたのでした。
「目に異常がないのは良かった。医者が緊急な措置を何もしなかったことは、それほど深刻なものではない ー ということかも知れないな。」
夫は、「目そのものに異常がない」ということを、ポジティブに捉えるのでした。
私は、釈然としないものは残りましたが、暫らく様子をみることにしました。
その後、その目の症状は2週間に置きくらいの間隔で、2、3度現われました。
すぐ治まる・・・私はそのたびに目を瞑って、それが消えるのを待ちました。
症状の原因も分からないままに・・・。
「それは、閃輝暗点症じゃない?」
親友のU子が言いました。
その後、久しぶりに会った時に目の症状の件を話した時、彼女は即座にそう言ったのです。
「閃輝暗点症?」
「ウン。私の友達にも同じ症状の人がいて、そう診断されたの。今は定期的に検査をして、薬飲んでるのよ。」
D様ー。
私は、不可解でした。
I市の医院で、検査を受けた際の診断は、原因ははっきりしないというものでした。
医師は、その症状から推測できる病名すら、私に告げずに、更に詳しい検査を勧めることもしませんでした。
素人にも、すぐ思い浮かぶその病名が、医師の頭には浮かばなかったのでしょうか?
それとも、その可能性は全くない ー ということなのか。
また、再度、眼科を訪れてみようかとも思いましたが、また、日延べを繰り返し、実行することはありませんでした。
そして、1年ほどが経ったある夜 ー 。
私は、テレビを観ていました。
番組は、ビートたけしが司会をする「本当は怖い家庭の医学」というものでした。
その日は、「緑内障」に関する内容の放送でした。
たまたまチャンネルを合わせたのですが、「目」と言うことでそのまま見続けたのです。、
(私の目の症状は、ほんのたまに短時間出るという状態になっていました。)
番組の中で、視聴者に対しても、簡単なテストを促すコーナーがありました。
片目で画面の1点を見つめて、盲点を見つけるというものです。
私は、何気なくそのテストを試してみました。
片目を隠し、画面にランダムに現れる、黒い点が見えれば正常です。
右目のテストは全部クリアして、左目のテストに入りました。
こちらも順調に読み取れる・・・と思いました。
「エッ・・・?」
私は、瞬間、頭が真っ白になりました。
見えなかった・・・。
視野に欠けている部分があったのです。
「緑内障」ー その言葉が、頭の中でこだましました・・・。
そして ー 。
D様、この続きを次回に書かせて頂きます。
初夏と呼んでもいい季節・・・。
天候の回復が待たれます。
ご自愛くださいますよう ー 。
2010.4.29
万 留 子

昨日、降り続いた雨は、朝には上がっていました。
薄い雲を通した、柔らかな陽射しが庭に注ぎ、
木々の若葉は、心地よげに南風に揺れていました。
地面に残る湿りは、太陽と風が、空へと運んで行くことだろう・・・。
そう思っていた午前中 ー。
しかし、午後のにわか雨は、束の間の陽を浴びていた花々を、水のつぶてで打つのでした。
陽をさえぎる厚い雲・・・。
この季節らしい陽光の日々 ー それを願わずにはいられません。
さてD様 ー。
民主党の事業仕分けの第2弾が終わりました。
この事業仕分けには、国民の期待と喝采、そして落胆と批判が錯綜しています。
それだけ、注目された訳ですが、いずれにしろ、旧ソ連の官僚国家かと、見まごうばかりのこの国の体制に、
楔を打ち込んでくれることを、願わずにはいられません。
さて今回、この事業仕分けの対象となった独立行政法人の中に、私の興味を惹いたものがありました。
「理化学研究所」という法人です。
「独立行政法人・理化学研究所」ー 私には、この法人についての知識が、ほとんどありませんでした。
今回、この法人に興味を惹かれたのは、「スーパー・コンピュター」というキーワードでした。
私の無意識の中のアンテナが、それを捉えたのです。
何故か・・・?。
(前回の事業仕分けでも、「スーパー・コンピューター」の開発は、話題になったようですが、興味が惹かれることはありませんでした。蓮舫議員の言葉の一部だけが、取りざたされた報道に、辟易していたのです。)
D様 ー 。
私は、昨日、この理化学研究所のホームページを開いてみました。
そして、その研究内容の多様さに驚きました。
ここでは、日本の科学技術の、最先端の研究がなされているのでした。
ありとあらゆる研究がなされている ー と言っても過言ではないと思います。
研究科目は、何百という数になるでしょう。それは、「チーム」とか、「ユニット」とか。「グループ」などと呼ばれ細分化されています。
例えば、「X線自由電子レーザー(XFEL)」の研究 ー 。
ホームページの紹介によれば、
「XFELとは、物資を電子レベルの大きさで、かつ、瞬時の動きを観察することができる ー と考えられている、全く新しい「夢の光」です。そのための基礎研究にとどまらず、広く国民の生活に、有意義な影響を及ぼすような、画期的な光源として期待されています。」 (これは、日米欧がしのぎを削っている研究のようです。)
そして、現在、兵庫県の播磨科学公園都市に、XFELの広大な研究施設が建設されていて、本年度完成する予定とのことなのです。
「独立行政法人・理化学研究所」においては、多岐に渡る科学分野で、このような最先端の研究が行なわれているのです。
そのひとつが、脳科学の研究 ー 。
理化学研究所の広大な施設内に、「脳科学総合研究センター」という研究所があります。
ここは、ノーベル賞受賞者の利根川進氏が、センター長を務めている研究所です。
この中には、70近くの研究チームがあります。
例えば「心と知性への挑戦コア」という科目には ー、
「脳研究機能表現研究チーム」「脳統合機能研究チーム」「創発知能ダイナミクス研究チーム」「動的認知行動研究チーム、「認知動力学研究チーム」「象徴概念発達研究チーム」「言語発達研究チーム」「生物言語研究チーム」「理論統合脳科学研究チーム」「適応知性研究チーム」・・・があります。
その他に、
「回路機能メカニズムコア」に、11チームと6ユニット、
「疾患メカニズムコア」に、12チームと3ユニット、
「先端基礎科学技術研究コア」に、6チームと3ユニット
「研究基礎センター」に、4ユニット・・・。
その他に、「理研BSI-オリンパス連携センター」「理研BSI-トヨタ連携センター(8ユニット)」と「神経情報基礎センター」「情報センター」などがあります。
素人には、テーマすら理解不能ですが、その多様性がお分かり頂けると思います。
(理研のホームページには、これらの脳科学の研究が紹介されています。そのチームの名称をクリックすると画面が開き、簡単な説明が載っています。ただ、この中の「意識集中・眠気連携ユニット」という部分だけは、開きませんでした。※2010.4.28確認)
D様 ー 。
私は、46通目と47通目の手紙に、脳内に埋め込むマイクロチップについて書きました。
脳内に埋め込んだマイクロチップは、その脳の情報をスーパー・コンピュターに発信します。
それが映像化され、その脳の動きが観察できるのです。
また、スーパーコンピューターの方から、脳内のマイクロチップに「指示」を発信することも可能です。
勿論、それは秘密裏に進められている研究であることは、言うまでもありません。
理化学研究所には、このスーパーコンピューターが備えられています。
だから、ここで脳内のマイクロチップの・・・そんな拙速な結論は、出そうとも思いません。
ただ、「脳科学」と「スーパーコンピューター」・・・そのような研究には、この理化学研究所は、最適な研究機関であることは確かです。また、脳科学の研究には、被験者が不可欠であることも確かなこと ー 。
D様 ー 。
この組織犯罪の被害の訴えは、日本全国の至る所から上がっています。
その中で、最近、「埼玉県には被害者が多い」という記述がネット上に載っていました。
この理化学研究所は、埼玉県の和光市にその本拠地があるのです。
偶然の符合であることを、願わずにはいられません・・・。
次に ー。
前回の続きを書かせ頂きます。
それは、4年前のこと ー 。
私は朝食の片付けが終わり、居間でお茶を飲んでいました。
目の前にはテレビがあり、朝のワイドショーが放映されていました。
何気なく画面を観ていた私は、突然、驚愕しました。
目の前に、異様なものが現れたのです。
キラキラ光る歪んだ円形 ー 欠けたガラスを寄せ集め、真ん中を繰り抜いたような・・・。
「何これ?」
それは、目をつぶっても消えません。目をつぶれば、今まで見えていた他のものが消え、それは闇を背景に、
余計に際立って見えるのでした。
目に表れた異常・・・。
私は慌て、視線を方々に動かしました。
しかし、それは目の動きに伴って移動し、目の前から消えることはありません。
「医者に行かなければ・・・」
私は、洗面所に行き、鏡を見てみました。
鏡に写る自分自身の姿の前に、やはり同じものが浮かんでいます。
私は、半ばパニック状態で、病院への身支度を始めました。
「保険証、財布・・・免許証・・車で行けるかな。」
心臓が高鳴っていました。
しかし、それは現れた時と同様、突然、視界から消えたのでした。
何ごとも無かったように ー 。
異様な映像は消えました・・・。
私は、身支度の手を止め、しばし呆然としました。
一体、これは何なんだろう・・・。
急に、めまいにも似た疲労感に襲われました。
私は、自分のベッドに、倒れ込むように横になりました。
「医者に診てもらわなければ・・・」
頭の中に、その言葉が反響し合っていました。
どれほどの時間、そうしていたでしょうか・・・?
私はハッとして、起き上がりました。
目の症状は消え、体には何の違和感もなくっています。
通常の日常が送れる状態です。
「病院へは、明日、行くことにしよう・・・。」
D様 ー 。
貴方は、ご存知だと思いますが、私は、面倒なことを後回しにするという、悪い癖があります。
無理に気力を奮い立たせて ー ということが出来ないのです。
あとにあとに回して、目の前にそれが突きつけれた状態になって、初めて取り掛かるのです。
早く済ませればいいものを、それが出来ません。
そんな時にも、その悪い癖が出るとは、自分でも驚きでした。
「明日、必ず病院に行けよ。」
夕食時、私から話を聞いた夫は驚き、何度も念を押すのでした。
翌日 ー 。
「今日は、いろいろと用事が多いから、病院へは明日に行こう・・・」
私は、また、日延べをしました。
その繰り返しで、1週間が過ぎた頃・・・。
それは、また、突然現れました。
掃除機をかけていた時に、ふいに現れたのです。
私はその場にうずくまりました。
「また・・・消えるはず・・・。」
目を瞑っても、消えることのない映像・・・それは私の心臓を高鳴らせ、体を脱力感で包みました。
そして、5、6分で消えました。
翌日、私はI市の眼科に行きました。
K眼科は、I市内の眼科としては大きな医院です。
登録している医師の数も、10人以上はいるようでした。
待合室に電子パネルがあり、医師たちを紹介する映像が流れていました。
所在なげに、そのパネルに視線を向けている患者たち ー 。
当然、私も待たされ・・・ウンザリし始めた頃、ようやく名前が呼ばれました。
そして、視力検査と眼底検査 ー 。
また、待たされ・・・。
「結果は、明日、聞きに来たいと思いますが・・・。」
受付でそう言って帰ろうかな ー そんな不埒な考えが、頭をよぎるのでした。
ようやく名前がよばれ、私は診察室に入りました。
小太りの若い医師が、カルテを見ながら椅子に座っていました。
看護士から、診察椅子に座るように促され、私は医師の前に座りました。
やがて医師は、カルテから目を離して私を見ました。
「視覚器に異常はありません。」
つまり目そのものは正常だということ・・・?
それじゃ、現れた症状の原因は何なのだろう・・。
私は、医師の次の言葉を待ちました。
しかし、何も言いません。
「先生、それでは、私の症状の原因は何でしょうか?」
私の方から尋ねました。
「・・・脳の血管とか・・そちらの方かな ー 。いろいろ原因は考えられますが・・・。」
何か、歯切れの悪い言い方なのです。
積極的に説明する ー という感じではありません。
「先生、原因は脳の方にあるということなのですか?」
「視覚器には異常はないので・・・そういうことですね・・」
結局、それだけでした。
別の診療科を勧めるとか、紹介状を書いてくれるとか ー それもありません。
私は、釈然としないままに、帰途に着いたのでした。
「目に異常がないのは良かった。医者が緊急な措置を何もしなかったことは、それほど深刻なものではない ー ということかも知れないな。」
夫は、「目そのものに異常がない」ということを、ポジティブに捉えるのでした。
私は、釈然としないものは残りましたが、暫らく様子をみることにしました。
その後、その目の症状は2週間に置きくらいの間隔で、2、3度現われました。
すぐ治まる・・・私はそのたびに目を瞑って、それが消えるのを待ちました。
症状の原因も分からないままに・・・。
「それは、閃輝暗点症じゃない?」
親友のU子が言いました。
その後、久しぶりに会った時に目の症状の件を話した時、彼女は即座にそう言ったのです。
「閃輝暗点症?」
「ウン。私の友達にも同じ症状の人がいて、そう診断されたの。今は定期的に検査をして、薬飲んでるのよ。」
D様ー。
私は、不可解でした。
I市の医院で、検査を受けた際の診断は、原因ははっきりしないというものでした。
医師は、その症状から推測できる病名すら、私に告げずに、更に詳しい検査を勧めることもしませんでした。
素人にも、すぐ思い浮かぶその病名が、医師の頭には浮かばなかったのでしょうか?
それとも、その可能性は全くない ー ということなのか。
また、再度、眼科を訪れてみようかとも思いましたが、また、日延べを繰り返し、実行することはありませんでした。
そして、1年ほどが経ったある夜 ー 。
私は、テレビを観ていました。
番組は、ビートたけしが司会をする「本当は怖い家庭の医学」というものでした。
その日は、「緑内障」に関する内容の放送でした。
たまたまチャンネルを合わせたのですが、「目」と言うことでそのまま見続けたのです。、
(私の目の症状は、ほんのたまに短時間出るという状態になっていました。)
番組の中で、視聴者に対しても、簡単なテストを促すコーナーがありました。
片目で画面の1点を見つめて、盲点を見つけるというものです。
私は、何気なくそのテストを試してみました。
片目を隠し、画面にランダムに現れる、黒い点が見えれば正常です。
右目のテストは全部クリアして、左目のテストに入りました。
こちらも順調に読み取れる・・・と思いました。
「エッ・・・?」
私は、瞬間、頭が真っ白になりました。
見えなかった・・・。
視野に欠けている部分があったのです。
「緑内障」ー その言葉が、頭の中でこだましました・・・。
そして ー 。
D様、この続きを次回に書かせて頂きます。
初夏と呼んでもいい季節・・・。
天候の回復が待たれます。
ご自愛くださいますよう ー 。
2010.4.29
万 留 子


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