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(44)

D 様




今日のこの地は雨・・・。
シルバーグレーの空から、微小な水の粒が落ちています。
時おり動く木々の葉が、微かな風の存在を気付かせてくれました。

この町を覆う、冷たい空気、そして水滴。
遠くから聞こえる車の音・・・鳥の鳴き声・・・。

冬が行くことを躊躇っているかのような、寒く静かな午後 ー 。
私はあなたへの手紙を書いています。



D様 ー 。
今日は早速、前回の続きを書かせて頂きます。

一昨年の3月でした・・・。
夫の知人で、隣村に住むOさんが、夫を訪ねて来ました。

Oさんには以前、夫の仕事に協力して貰ったことがありました。
この地域のことを熟知しているということで、知恵を貸して頂いたのです。
それ以来、よく我が家を訪れ、夫と雑談に興じるという仲でした。
歳は70代後半 ー ですが、何ごとにも積極的な人です。

その日、Oさんは50代半ばの男性を伴っていました。

「これは、私の甥っ子です。村議会の議員をやってたんだけど、今は農業に従事してます。」

Oさんはソファーに座るなり、傍らの男性を夫に紹介しました。
彼はEと名乗りました・・・。

Eさんは、Oさんの傍で何か落ち着きがなく、オドオドとした様子でした。
表情には生気がありません・・・。

「実は、Rさんのことで ー 。」
Oさんが、口を開きました。

「Rのことで・・・?」
夫は、ただならぬE氏の様子と、突然出てきたRという名に怪訝そうでした。

Rさんとは、夫の知人です。
夫とは、昔に人を介して知り合ったというだけで、特別な関係は何もありません。

6年ほど前に突然、関東のT県から、この地方に来て住み始めたのです。
歳は50代後半、仕事は「ブローカー」と言ったところでしょうか ー 。
すさんだ雰囲気を漂わせている男で、正直言って、私は嫌いな人間でした。

(実は、このRの為に、私の会社がとんでもない損害を受けたことがあります。
それは、いずれかの機会に書きたいと思います。)

Rは、この町に住むようになって以来、夫のところに、時おり、顔を見せるようになりました・・・。


「R・・? そう言えば、このところ音沙汰ないけど ー Rがどうかしたの?」
夫が、戸惑った様子で訊きました。

「このEが、Rさんに呼び出されたんですよ。F市まで来いって ー 。」
Oさんが言いました。i

「F市までって・・・何で?」
夫は事情が呑み込めないまま、Oさんに尋ねました。

県都のF市は、この町から車で2時間近くかかります。

「殺されるかも知れない・・・このままでは、俺、殺されます。」
Eさんは、小刻みに震えていました。

「いいから・・・」
Oさんは、傍らのEさんを制しました・・・。

「殺されるって・・・そんな馬鹿な? 何で?」
夫は訳が分からず、頭が混乱したようでした。


Oさんが、説明を始めました・・・。
 
そもそもの発端は ー Eさんの娘さんが起こした、自動車事故でした。
Eさんの娘さんは、Y町からI村に向かう途中、車をガードレールに衝突させてしまったのです。
自分の不注意による自損事故でした。
事故により、車の前部は破損してしまったのでした。

幸い車は動く状態でしたので、家までは戻れました。

自損事故ですし、自分の車への保険には入っていませんでしたので、修理代は自分持ちになります。
Eさんは当然そうするつもりでした・・・。

しかし、この事故がRの知るところとなりました。
Rは当時、Eさん宅に頻繁に出入りしていたのです、

「大丈夫。修理代なんて払うことないから ー 。俺に任せてよ。」
Rは、Eさんにそう言うのでした。
Eさんは、深く考えもせずに、Rに任せることにしました・・・。

修理代なんて払うことない・・・と言う、Rのやり方はこうでした。

まず、自動車保険に入っている、知り合いの女性を引き込みました。
「知人が事故を起こして困ってる・・・。助けてやりたいんだけど、協力して貰えないかな・・・。」
Rは、お礼はするからと、強引に頼み込んだのでした。
女性は「人が困っているのなら・・・」と、つい協力を承知してしまいました。

Rが書いた筋書きは ー 、
その協力者の女性が運転していた車が、不注意から対向車線にはみ出してしまった。
その時、反対側からた来た車(Eさんの娘が運転)が、それを避けようとしてガードレールに衝突した・・・というものです。

衝突の原因は、協力者の女性側にあることになります。
保険会社は、Eさんの娘さんに車の修理代を出さなければなりません。

Rは、保険会社から修理代を出させることに成功しました。

協力者の女性は、お礼として、Rから1万円を渡されたと言います。
そもそもこの女性は、Rの巧みな手練手管にはまってしまった ー というのが本当のところなのだと思います。
「金目当て」ではなかったにせよ ー 1万円とは・・・。

また、保険を使えば、次の契約から保険料がアップします。
それを鑑みれば、彼女は、大きな損をしてしまいました。
でも、それにも増して大きいのは「法を犯す」という過ちを犯したこと - 。
彼女は浅はかでした・・・。

Eさんの娘さんの車は、修理されて戻って来ました。
しかし、代金は全額を支払って貰ったわけではありませんでした。
結局、かなりの金額を払ったと言います。


D様 ー。
つまりこれは保険金詐欺です。
Rは、Eさんの娘さんの事故に乗じて、「金儲け」をしたのでした。
R以外、得をした者は誰も誰もいません。

更にその後 ー 。
Rは、Eさんに対し、金をせびるようになりました。
「スジの悪い者に知られた。口止め料がいる」「相手方と話をつける為、金が必要だ。」
「力のある人に解決を頼むから ー 」・・・理由は様々ですが、そのたびにEさんは金を出し続けました。

Eさんには弱味がありました。
Rの巧みなペースにはまってしまったとはいえ、娘さんの自損事故を偽装してしまったのですから・・。
Rに言われるがまま、金を渡すしかなかったのです。
車の修理代よりもはるかに多額な金を・・・。

その頃から、Eさんは精神的に不安定になって行きました。
常に何かに怯えるようになったのです。

「殺される・・・」と怯えるようになったのです。

そして、その日 ー 。
Rから、F市に来るようにと言われ、極度の不安状態になりました。
Eさんは、伯父のOさんを頼り、Rを知っている夫を訪ねて来たのでした。


夫と私は、話の内容に驚きました・・・。
私は、Rに対する嫌悪が極限に達しました。

夫がRに関わることはやめてもらいたい・・・私は心の中でそう願いました。
しかし、夫は頼まれると放っては置けない人なのです。

夫が、Rに電話をしてみることになりました・・・。

「Eさんが、伯父さんと一緒にウチに来てるんだけど、F市には行かないと言ってる。
取り合えず、用件だけ電話で訊いてくれということだから、話して貰えないか・・・。」

そして、夫は「Eさんは、あんたに『殺される』って言ってるよ。」と、やや冗談めかして、付け加えました。

Rは慌てたようでした。
「ちょっと待って下さい。私は今、F市にいるんで、別の者をそちらに行かせます。」

ものの10分もしないうちに、中年の男女二人がやって来ました。
そして、「Rさんが、EさんをF市に呼んだのは・・・云々」と説明したのでした。

結局、Eさんの考えすぎだと言うことになりました。
Eさんは生気のない顔のままで、Oさんと一緒に帰って行きました・・・。


その1週間後 ー 。
私と夫が外出から戻って来ました。

すると、玄関のところに何か置いてありました。
新聞紙に包んだ一升瓶 ー 手作りの「どぶろく」でした・・・。

「誰かな ー ?」

Oさんか、Eさんかもしれない・・・I村は、どぶろく造りに気候が合っているようで、美味しいものが出来るのです。

「この前のお礼としてかな・・・気を使わなくてもいいのにね。」
私はその袋を持ち上げながら、夫に言いました。

「もしかして、Rかも知れないな。以前も持ってきたことがあったじゃないか ー 。」
夫はそう言うのでした。そして、Rに電話してみたのです。

「やっぱり、Rだったよ。『ええ、私です。飲んで下さい。』って ー。」
「フーン・・・毒が入ってないことを祈らなきゃね。」
私はつい、そんな憎まれ口をききました。


しかし、間もなく ー 。
「ええ、私です。飲んで下さい」・・・Rのその嘘は、バレることになりました。


その日から1週間ほど後のこと ー 。
Eさんが自殺・・・自宅の裏庭で首を吊ったのでした・・・。

私たちがその訃報を聞いたのは、その翌日でした。
葬儀は近親者だけでやりたいとのことで、私たちは出席を見合わせました。

葬儀を済ませ、落ち着いた頃・・・Oさんがやって来ました。
「あの後、Eがここに来た時、Sさんが留守じゃなかったらなぁ・・。」

あの後? Eさんがここに来た・・・?

「死ぬ1週間くらい前に、ここに来たはずですよ・・・。
どぶろくが置いてあったでしょ?」

どぶろく・・・?
あれは、Eさんが置いて行ったものだったの・・・?

「もう1回、頼みに行くって・・・。留守だったって、がっかりして帰ってきた・・・」

Eさんは、亡くなる前に夫を訪ねて来たのでした。
ワラをも摑む思いで、何かを相談したかったのでしょう・・・。

夫は呆然とした顔をしていました・・・。

「ええ、私です。飲んで下さい」・・・Rは、ぬけぬけと嘘をついたのでした。

私は、Rへの嫌悪と怒りで、血が逆流するような感覚に捉われました。
Rという男は、一体どこまで腐っているのだろう・・・。


Eさんんは、その後もずっと怯えていたとのことでした。
夫が電話して以来、Rとの接触は無かったというのですが ー 、
それでも彼は怯えていました。

Eさんを怯えさせていたものは何だったのでしょう・・・?

家族は、おかしな言動をするEさんを理解できずに、ノイローゼになったと思い込んでいたようです。


しかし、D様 ー 。
私は今になって思います。
Eさんは、自動車事故の偽装の件だけで、怯えていたのだろうかと・・・。

彼が、必死で相談相手を求めていたことは確かです。
しかし、誰にも理解されず、絶望の中で死んでいった・・・。

この組織犯罪と共通する部分が、僅かながら見えるのです。
この組織犯罪の多くの被害者は、その被害を的確に伝えるすべを知りません。
被害内容を、詳細に語れば語るほど、精神状態が疑われるという構図・・・その中で、もがいている被害者がどれほどいることかー。

インターネット上で、被害を訴えている方々は、「表現力」というツールを持つ数少ない人たちだと思います。
それは、被害者のごく一部に過ぎません。

しかし、それとて、被害の「実態」は表現力の枠を超え、言葉に出来ないまま、灰色の闇に取り残されています。
私などは、そのもどかしさに頭を抱えてしまうことも度々です。

毎年3万人以上が自殺する日本・・・その中には、この組織犯罪の被害者が相当数含まれていると、私は推測しています。


私は、Eさんの死を短絡的に、この組織犯罪と結びつけるつもりはありません。
しかし、たとえ僅かでも、その可能性は否定できないと思います。

それは・・・。
Eさんの死から、2ヶ月くらい経った頃のことです。
私が、Rにある疑念を持った出来事がありました・・・。

その日、Rが突然、夫を訪ねて来ました。
珍しく、付き合っている女性を連れています・・・。




D様 ー 。
この続きを、次回に書きたいと思います。


この肌寒い日はいつまで続くのでしょう?
春が舞台の袖で、出番を待っているのは確かなのに ー 。
いずれにしろ開演のベルは間もなく鳴り響くはず・・・。


ご自愛くださいますよう。





                                    2010.3.25
                                          万 留 子

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(43)

D 様



今日のこの地は曇り空・・・冷んやりした空気が覆っています。

3日前・・・芽を出したばかりの水仙が、花開いていました。
庭の片隅で、身を寄せ合って耐え来た冬・・・。
まだ冷たい風の中で揺れている薄黄色の花弁は、清楚で可憐で ー 。
その姿は、私を和ませてくれました。

しかし、翌日、その花は全て折られていました。
花弁はうな垂れ、地面に顔が着かんばかりでした・・・。

誰が・・・?

私はやり場のない怒りの中で、折れた花を起こしました。
そして、それらをビニールの紐で支えました。
折れた部分は元には戻りませんが、花はどうにか、上を向かせることが出来ました。

すっかり折れてしまった3本は摘んで、ジャムの空瓶に活けました。
そして、居間の陽が当たるところに・・・。

花たちは、ガラス越しの陽射しの中でも、心地良げでした。
そして、辺りに春の香りを放ってくれたのです。

「もう春ですよ」との、花たちのけなげなアピール・・・。
私は時間を忘れ、花たちを見ていました。




D様 ー 。

一昨日の朝・・・8時頃でした。
私は、隣家に回覧板を持って行くために、車に乗ろうとしました。
以前に書いたように、隣家には、裏から回ればすぐ行けるのですが、訪ねる際は、遠回りをしなければなりません。

車に乗ろうとした時・・・私は、ふと強い視線を感じました。
反射的に、隣のアパートの2階に目を向けました。

西端の部屋の前から、男がこちらを見ていました・・・・。
部屋に入ろうとするのを止めて、私を凝視しているのです。

「何で見ているのだろう・・・?」

このアパートの2階からは、我が家の敷地全体が見渡せます。
部屋への通路部分が、当家の敷地に面しているのです。

通路は高さ1.5メートル位のアクリル板で囲ってあります。
アクリル板は透明ですから、その通路は双方から見える状態になっています。

「前に見かけた住人とは違うみたい・・・。」

このアパートに出入りする人間を、それほど頻繁に見る訳ではないのですが、時おり見かける人は、
そのたびに違うように見えます。誰が住人で、誰が訪ねて来た人間なのか・・・私には分かりません。

2階から私を凝視する男 ー 歳は40代半ばくらいでしょうか・・・。

私は、車に乗り込むのを一瞬止めました。
すると、男はこちらの視線に気付き、部屋に入りかけました・・・が、入らずに振り返り、
再度、こちらに視線を向けて来ました。

見下ろす位置から、無表情に、こちらを凝視するその姿は異様でした・・・。

私は、その視線を避け、車に乗り込みました。
しかし、男は部屋に入らず、まだこちらを見ているようです。

それは、朝、隣人同士が顔を合わせた時の、通常の光景ではありません・・・。
私は、陰うつな思いで車のエンジンをかけたのでした。


D様 ー 。
このアパートの住人は、なぜ、こんなに陰気なのでしょう・・・?
すぐ隣なのに、挨拶を交わす人は誰もいません。


住人の中で、私が部屋と顔が一致するのは、1階の東端に入居しているKという男・・・。
近くのコンビニで働いています。

私は、このコンビニをよく利用してましたので、Kとは何度も顔を合わせています。
また、隣人同士であることは、勿論、互いに分かっています。

しかし、この男はどこで顔を合わせても、挨拶をするということがありません。
道で出会って、私が挨拶をしても、モゴモゴと口の中で何か言う程度です。
職業柄、明るい挨拶は欠かせないでしょうに・・・。

一昨年、私は毎日のように布団の埃を叩いていた時期がありました。
叩いても叩いても粉をまぶしたような埃・・・。
敷地内に脚立を出し、そこに布団を掛けて、叩き続ける日々でした。

布団を叩いていると、必ずと言ってもいいくらい、このKを見かけるのです。
ふと通りを見ると歩いています。
いつも黒いウインドブレーカーを着て・・・。

コンビニ勤務ですから、時間が不規則なのは分かりますが、何時に叩き始めても、
実にタイミングよく歩いて来るのです・・・。


アンカリング・・・この組織犯罪にある手口です。
ターゲットにしか分からない仄めかし・・・繰り返し、繰り返し行なわれます。


D様 ー 。
私は、そうであると断定してるわけではありません。
しかし、偶然というには、不自然な頻度であるのも確かなことです 。

現にその後は、あまり見かけなくなりました。
今年に入ってからは一度も見ていません。

ジープ型の軽自動車・・・それがこのKの車なのですが、アパートの駐車場にはその車が停まっています。
居るのは確かなのですが・・・。

それと ー 。
このKの部屋の前には、1年以上もゴミの袋が置かれたままでした。
我が家の居間から見える位置にです。

昨年の暮、大家さんがアパートの掃除に来ましたので、当然、片付けられるものと思いました。
しかし、片付けられることはありませんでした。

無くなったのはつい最近のこと ー 。
ゴミの袋は、ドアの前に長い間置かれたままでした・・・。


また、このKの隣の部屋・・・。
昨年12月より、トイレ(風呂?)の電灯が付けっぱなしなのです。
当初は、消し忘れているのかと思いました。しかし、そうではないようです。
もう4ヶ月・・・気付かないことは有り得ません。

朝も昼も夜も ー オレンジ色に点り続ける電灯・・・。
これも、我が家の居間から見えるのです。

ゴミ袋、点けっぱなしの電灯・・・これらもアンカリングと言われる手口と同じなのです。

人が見れば何でもない光景・・・しかし、被害者にはその意図が見えるのです。
日々、重層的にハラスメントを受ける中で、徐々にそれが気になって来ます。
しかし、口に出せば神経症とされ・・・理解されることはまずありません。


D様 ー 。
しかし、被害者でなくとも、冷静に考えれば、おかしいことが分かるはずです。

電灯は、なぜ点けたままにしておくのか・・・?
4ヶ月もの間です。どんな間抜けでも、気が付かないことは有り得ません。

気が付いてて、点けておく・・・その理由は何なのでしょう?
答えは見出し得ません。
この部屋の住人は、その不可思議な行為をしているのです。

また、ゴミの袋 ー 。
ゴミは、その他にも定期的に出ているはずです。
他のゴミは捨てているのに、何故、このゴミは捨てないのか・・・?

我が家から見える位置に、1年以上も置いたままにしていたのは何故 ー ?
この答えも見出し得ません・・・。


入居率は半分でしかないのに、いつの間にか外された「入居者募集」の看板 ー 。
組織Kが、この組織犯罪を行なうにあたり、アパート一軒を借り上げる位のことは平気でする・・・。
そんな言葉が思い出されます。




次に ー 。
前回予告した内容に入ります。

東村山市の市会議員であった朝木明代氏が、ビルから転落死した事件です。
一般的には「東村山市議転落死事件」- と呼ばれています。
1995年のことでした・・・。

有名な事件ですので、当然、D様も御存知だと思います。
(前回は「殺人事件」と表記しましたが、「転落死事件」あるいは「怪死事件」と呼称されていますので訂正します。)

警察は事件性を認めず「自殺」と断定しました。
しかし、そう断定するには、誰が考えても不審な点が多すぎました・・・。

この事件については、朝木氏の友人や遺族、そしてジャーナリストの方たちが、多方面から検証をしていますので、詳細はその著書に譲ることにします。

事件当時、私は週刊誌で報じられた事件の記事を、興味深く読んだものでした。
しかし、自分と関わりのない事件が、長く頭に残ることはありませんでした・・・。

私が、この組織犯罪の被害者とならなかったら、この事件が再び、私の意識に上る事はなかったと思います。

しかし、一昨年の夏、私は自分がこの組織犯罪の被害者であることに気付きました。
私は当時、半ばパニックの中で、様々な情報を得ようと必死でした。
そんな中、インターネット上で、この事件に行き当たったのです。

私は、直感的にこの組織犯罪と共通性を感じました。

自分が被害者だと気付いた当初 ー 、
私は、この組織犯罪とS会の関わりが理解できませんでした。

「S会と関わりがない私が、S会のターゲットになることなど有り得ないー。」
そう考えていたのです。

しかし、調べるにつれ・・・この組織犯罪の構図が見えてきました。
この犯罪には、S会のみならず、多数の企業や団体、行政が関わっていることが分かって来たのです。

S会信者は、一見、常識的で社会に馴染んでいるように見えます。
しかし、その装いを剥げば、生活の全てが宗教に縛られ、狭小な世界で生きている人たちだと言えるでしょう。
一般社会の良識やモラル、そして倫理・・・それに優先するのがS会の「教義」でなのです。

この宗教を信仰する精神構造は、オウム真理教と何ら変わるものではありません。
信者たちは、「教義」だと誘導されれば何でもすることでしょう・・。

信者の全員がそうであるとは言いません。
また「教義」がオウム真理教と同じだと言っているわけでもありません。

しかし、フランスやドイツでは、カルトと分類されている宗教・・・信者たちがこの宗教の中で、自分を見失う可能性は否定できないと思います。

実際、この組織犯罪から垣間見える、S会信者と思われる加害者たちの卑劣さは、驚くべきものがあります。

朝木氏の事件も、S会の関与が強く疑われています。
氏はS会の不正や疑惑の追求、脱会信者の支援などの積極的な活動をしていました。

S会との対立・・・。
朝木氏や周辺の人物に対する、嫌がらせや脅迫が頻発するようになりました。
そんなバックグラウンドで起きたのが、朝木氏の「万引き事件」です。

朝木氏が、ブティックで1,900円のTシャツを盗んだとされた事件です。
このブティックの経営者はS会の信者・・・。
朝木氏側が主張する「デッチ上げ」の可能性は、限りなく高いと思われます。

そして、その2ヶ月半後に起きたのが「転落死事件」 ー 。
不審なことだらけのこの事件を、警察はなぜ、早々に「自殺」と断定してしまったのか・・・?

事件と断定する証拠がない・・・?
しかし、朝木氏の上腕部には、強く摑まれた際にできる圧迫痕が残っていました。

これは、ビルから転落する前に、朝木氏の腕を強く摑んだ者がいるということです。
私は、この一つの事実だけでも、「自殺」の線は消えると考えています。

そして、色濃く影を落としているのがS会の関与 ー 。
よりにもよって、この事件を担当する検事がS会信者だったとは・・・。

朝木氏の「転落死事件」は、当初、対立関係にあったS会やK党関係者を対象にして、捜査が進められたようです。
一説によれば、犯人を特定する寸前までいったとのことも ー 。
しかし、検察の圧力で中止になった・・・と言われています。

私は、この朝木氏の事件に、S会と警察の癒着を見るのです。

東京都においては、都議会を始め市区議会は、選挙の投票率が低い中で、組織票をもつK党議員の割合が高くなっています。議会での発言力が強い状態なのです。

そんな中で、S会と距離を置いたり、S会が絡んでいると思われる事件を捜査する警察幹部がいると、K党が徹底してその出世を妨害するというのです。
逆に、S会に協力的な警察官の昇進は後押しをする・・・。

朝木氏の事件に警察が及び腰なのは、そんな背景がが原因だとも言われています。

社会の良識や倫理・・・それに優先する「教義」をもつS会が、この国を歪めている事例だと言えるでしょう。
信者たちが善悪を判断する基準は、「S会が、善とするか悪とするか」だけです。
S会と対立する人は、どんな手段をもっても攻撃することでしょう。

現に、対立している方々は、暴力事件に巻き込まれることが多いのです。

たとえば、矢野穂積氏に対するの暴行事件 ー 氏は、朝木氏と共に「草の根市民クラブ」で活動していました。

穂積氏は、事務所から自宅に帰る未明の路上で、暴漢に襲われたのです。
乗っていた自転車を突然倒され、顔面や頭部を殴打されました。

暴漢は逃げようとする氏を、数百メートルも追いかけて来たと言います。
氏の叫び声に気付いた若者たちが助けに来てくれなかったら・・・背筋がゾッとする事件です。
氏は全治2週間のケガを負ったのでした。

これは酒を飲んだ上での暴力沙汰 ー という類いの事件ではありません。
夜間に穂積氏を待ち伏せ、狙いうちした犯行なのです。

何の目的で・・誰が・・・?
穂積氏もまたS会と対立関係にありました。


また、朝木氏の御長女の朝木直子氏の事件・・・。
直子氏の自宅敷地内に、暴漢が侵入し、一階の窓ガラスを蹴破って、氏を襲おうとした事件です。
「このやろう出て来い、ぶっ殺してやる」と叫びながら、何度もガラスを蹴ったとのことですが、幸い強化ガラスだった為、暴漢の侵入は阻止することが出来ました。

しかし、ガラスが割れていたら・・・これもゾッとする事件です。
言うまでもなく、直子氏もS会とは対立関係にあります。


国政の場においても、K党が、長期にわたり政権の中枢に入り込んでいました。
この国は、このK党にキャスティングボードを握られていたことになります。
そんな中で、組織KとS会との関係は、より強固になっていったと考えられます。


S会と組織K・・・結びつくことは、互いにメリットが大きいはずです。
組織Kと同様に、全国にネットワークもつS会・・・そして、その信者たちはS会の意のままに動きます。

D様 ー 。
この組織犯罪に「S会が関わっている」と告発する被害者は、多数に上ります。
S会は組織Kと共に、この犯罪の一番ターティな部分に関与している ー そう考えるのは間違いでしょうか・・・。

今、K党はまた政権に擦り寄っています。
S会の体質を鑑み、私はこの国の形が歪んでいくような・・・そんな憂うつ感に捉われています。





さて、D様ー。

一昨年の今頃・・・。
夫をI村の元議員が訪ねてきました。
ひどく怯えていました・・・。


この続きを、次回に書きたいと思います。


「花冷え」というには早い季節 ー 。
春の足踏みでしょうか・・気温の低い日が続いています。
どうか、ご自愛くださいますよう ー 。


                                          2010.3.18
                                                万 留 子


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(42)

D 様


今日のこの地は、久しぶりの好天です。
青色のスクリーンに、綿を散らしたような空が広がっています。
青色の彼方のまばゆい光は、プラチナの粉となって降り注ぎ・・・。
芽を覗かせたアジサイの枝が、時おり微風に揺れています。

早春の爽やかな一日・・・そんな日が始まろうとしています。




D様ー。

一昨日の雪は、昨日のうちに、ほとんどが解けてしまいました。
敷地内の所々に白い色を残すだけとなっています。
そんな昨日の午後ー。
残る雪の合間に白色の・・・何か異質のものが私の目に留まりました。

何だろう・・・。

私は、それに近づき目を凝らしました。
白いビニール状のもの・・・私は靴先でそれを広げてみました。

薄いゴム手袋の片方でした・・・。
手に密着させて使う医療用のものです。

なぜ、こんなものが・・・誰が落として行ったのだろう・・・?

私の脳裏に浮かんだのは、つい先日の出来事・・・夫のパジャマに付着していた血痕、
そして私のシーツの小さな血痕・・・。

医療用手袋・・・これが、いつから落ちていたのかは分かりません。
しかし、手袋の状態を見れば、そんなに以前ではなく、最近であることは確かです。

私は暫らくそこに佇み ー 暗うつ感の中で、それを見ていたのでした・・・。



さて、D様ー。

先日(3月1日)のこと ー 。
私は、ある団体の全国の各支部宛に20数通のメールを送信しました。
この組織犯罪を少しでも認知してもらおうと思ったのです。

アドレスは、ホームページに出ていたものを、貼り付ける方法でインプットしました。
内容はすべて同じもの ー 1通ずつですから、時間が掛かりました。
(私は、メールに詳しくはないので、その方法しか知らないのです。)

送信ボタンを20数回クリックし、すべての送信を完了しました・・・。


翌日 ー 。
メールの受信をチェックした私は、「アレッ・・」と思いました。
同じ内容のメールが14通も届いていたのです。
ブロバイダーからの英文のメールでした・・・。

どうにか分かったことは、メールが届かなかったということ ー 。
20数通のうち、14通が送信されなかったのです。

なぜ届かなかったのか・・・私は、プロバイダーのN社に問い合わせをしました。

お客様IDや、パスワードを聞かれました ー 。
パルワードは意味のないアルファベットの羅列で、記憶には残っていません。


(昨年5月にパスワードが何者かによって変えられていたことは、以前に書きましたが、パスワードはそのままになっ ていました。厳重に管理しておいたはずのパスワードが変更されていたことは、また、変えたとしても無駄だと思っ たのです。)


お客様IDは、ファイルに綴じておいたN社からのハガキを探しました。
そのハガキには、私のパソコンのブロバイダに関する全ての情報が書かれてます。
しかし、見つからないのです。

確かに、綴じておいたはず・・・。

N社の担当者は、生年月日などを聞いてきましたが、どういうわけかそれも一致せすに
結局、登録情報を郵送で送ってもらうことになりました。

登録情報が記載されたハガキは、翌日、速達で届きました・・・。
私は、早速、N社に連絡をしました。

担当者は、「Outlook Express」の設定を、最初からやり直すことを指示して来ました。
私は、電話で言われた通りに操作をし、設定をし直したのでした・・・。

「これで、メールの送受信は大丈夫です。」

それは分かるけど、メールが届かなかった原因は・・・?
私は、それが知りたかったのですから ー 。

私は、それを担当者に尋ねました。
「ウーン・・・パソコン自体の不具合とか・・・」

「でも、順調に送信されていた状態から、急にそんなことになるんですか?
その後も、パソコンの動作に不具合はありませんでしたよ。」

「原因はいろいろ考えられますが、ウチの方では特定は出来ないんですよね・・・」

担当者は、歯切れの悪い口調でした。

「通信部分で、外部的な妨害があったことは考えられますか? 何かスパイウエアみたいなもので覗かれて、
 送信が妨害されたとか・・・。」

「その可能性は考えられますけど、特定することは難しいです。・・・ウチでは分かりませんね。」

それ以上、話しても無駄だと思いました・・・。


さてD様 ー 。
私のパソコンは、NTTの遠隔サポートというサービスを契約しています。
これは、パソコン同士を繋いで、操作の仕方を教えてもらったり、トラブルへの対処をするというものです。

パソコンをつなぐわけですから、担当者の方に、私のパソコン画面がそのまま映し出されます。
そして、担当者の方からも、私のパソコンの操作ができる状態になります。

驚くほどのものではななく、一般化されている技術です。
この技術をもってすれば、パソコンの監視などは簡単に出来ます。

この組織犯罪の被害者は、不可解なパソコントラブルを頻繁に体験します。
不可思議な故障はもとより、マウスポイントやカーソルが勝手に動いたり、インプットした文字が突然消えたり、
またマウス操作が急に重くなったり・・・。

操作が妨害されるのです。
これは、パソコン同士が結ばれていると考えていいと思います。
不法な監視者のものと・・・。

私の場合、上記の現象のみならず、立上げ時にかかる時間の長さは、異常と言える状態です。たとえば「ワード」を操作しようと、トップ画面のアイコンをクリックしても何の反応もありません・・・。

仕方なくスタートボタンから「ワード」をクリック・・・それでも画面は開きません。
Enterキーを何度か押し・・・ようやく画面が開くまで、5分は軽く超えてしまいます。

インターネットに繋ぐ際も、まず、接続出来ない旨の表示が出ます。
接続診断ツールをクリックして、問題を検証しても接続に問題はありません・・・。

仕方なく、Enterキーを押したりして、暫らく待っていると・・・、
突然、ホームにしているグーグルの画面が出て来るのです。

インターネットに接続するたびにそんな状態になります。

更に、ネット上の被害者のサイトを訪れた際は・・・。
やはり、動作が異様に重くなったり、フリーズしてしまったり ー 。

コメントを書き入れようとすると、画面が激しく動いたり、インプットした文字が消えたり・・・。
あげくは、送信しても、コメントが表示されないことも度々です。。


ネット上の監視と妨害 ー それが出来る組織は限られています。
今、日本の監視体制は、国民の想像以上の段階に達しているはず ー 。
それはこの組織犯罪の被害者のみならず・・・と考えばければなりません。



次にD様 ー 。
前回予告した内容に入りたい思います。

先日、私はある被害女性のブログを訪問しました。
この組織犯罪に対する鋭い洞察と、歯に衣着せぬ率直な語り口・・・多くの読者に支持されています。
この犯罪についての情報も豊富で、私は最近よく訪れています。


ブログ内には動画の貼り付けもしてあるのですがー、
私は、その中の一つを観て、軽い衝撃を受けました。

それは、脳の中に見えているものを、映像化する技術でした・・・。

テレビで放送された映像なので、一般にも知られているのでしょうが、
私は初めて観たものですから驚いたのです。

それは、脳に電極を埋め込み、それをコンピュータにつないで映像化するというものです。
脳の視野を司る部分に埋められた微小なチップが、今、脳に映っている映像をコンピュータに送ります。
すると、画面にその映像が映し出されるのです。

ブログ内の動画においては、10×10の粗いビクセルでしたが、ビクセル数を増やすことは可能ですし、その技術はすでに確立されていると思われます。

その人間が、今、見ているものをパソコンにリアルに映し出される・・・。
それは、SF映画の話ではなく、現実の社会で既に開発されている技術なのでした。

歯に埋め込むレシーバー・・・私は以前、その技術について書いたことがありました。
これは10年以上も前に、実用化の段階に達している技術です。
その技術は現在、更に進化し、レシーバーはよりミクロ化されていることでしょう。

それは、歯に限らず、体内のどの部位にもインプラントが可能なはずです。
音声の受信レシーバー・・・そして、脳に映るものを映像化する電極のチップ・・・。

脳には痛覚がないとのこと ー 。
微小なチップを埋め込まれても、違和感がなく、本人は気付かない・・・有り得ないことではありません。
そして、これらの技術をもってすれば、人を操ることも可能です。

科学技術の進化は、私の想像の域を超えていました・・・。


D様 ー 。
私は、この犯罪組織が、これらの技術を応用した機器を用いている可能性は高いと考えています。

たとえば、「幻聴」を訴える被害者は少なくありません。
聞こえるはずのない物音や人の声が聞こえてくる・・・それは「統合失調症」の症状です。

その現象を訴えれば、まず「統合失調症」と診断されてしまうでしょう。
「お前は精神病だ」「病院へ行け」「薬を飲め」・・・という訳です。

しかし、そんな症状は人工的に作り出せる時代になっていました・・・。

自分でも、訳が分からないまま「統合失調症」と診断されている人がいる可能性は否定できません。
この組織犯罪の被害者意識がない場合は、有り得ることです。

この犯罪は、被害者を精神病異常者だとして、隠ぺいされて来たのですから・・・。


また、先日私は、ネット上のある記事に目を留めました。
7年ほど前に「阿修羅」の掲示板に書かれたものです。

電磁干渉波・・・私はこの言葉を初めて知りました。

この記事によれば、「それを悪用すれば、あたかもそこに人がいるように、ゴトゴト、ゴソゴソ等の擬音を、
遠く離れたところに作り出すことが出来る」というのです。

これを読んで、思い当たることがありました・・・。

私が就寝して間もなく「ガタン」とか「ゴトゴト」という音がすることがあります。
何の音だろう・・・と確認に行っても原因は分かりません。

また時間帯を問わず、天井とか、柱のあたりで「ミシッ」とか「ゴトッ」という音が、数ヶ月前から頻発しています。以前にはなかった現象です・・・。

私は、我が家のこの不審音を、「電磁干渉波」によるものと断定はしません。
音の発生源は今のところ不明 ー 。
しかし、「電磁干渉波」を用いれば、その音を人工的に作リ出せる ー それは確かな事実です。


また、この記事には赤外線探知機のことも書かれていました。
これは防犯などの目的でとっくに製品化されています。人を感知し、チャイムやブザーが鳴ったり、灯りがついたりします。電器店で売られていますから、誰でも知っていると思います。

これを、より専門的にした機器は当然あるはずです。
この犯罪組織がそれを用いれば、広範囲にターゲットの動向を探ることが可能です。

私の場合、夜中に「トイレ」起きると、必ず例の「ホーッ」が鳴ります。
こんな機器が応用されているのかも知れません・・・。

またネット上には、壁の向こうにあるもを映像化する機器の記事もありました。
厚い壁の向こうにあるもの・・・それが何であるか、壁を壊さずとも見える技術は、すでに開発されているのです。

科学技術などというものには、全くうとい私ですが、インターネットで少し検索しただけで、驚くべきハイテク機器の情報に行き当たります。

宇宙開発や兵器の技術を応用した機器は、徐々に社会に入り込んでいるのでした。
これらのハイテク機器を悪用されれば、人のプライバシーなど無いも同然です・・・。


晴れ渡り、高く澄んだ空・・・私たちは爽快感と共に見上げます。
しかし、そこにはカメラを搭載した人工衛星が浮かび、絶えずこちらを監視しています。

皇居の堀に浮かぶ鴨が、オスメスか見分けられる ー 週刊誌でそんな記事を読んだのは、遥か以前のことでした。
今、その精度はどれほど進化しているのでしょう・・・。

今まで、被害者を精神疾患者だとして隠ぺいされて来た犯罪・・・進化する科学技術と、それに対する社会の認知は、その卑劣な嘘を見抜きつつあります



D様 ー 。
今、上記した内容など、あなたはとっくに御存知なのかも知れません。
今更・・・と苦笑いなさいましたか?

でも、私が理系に弱いことは知っておられるはず・・・。
このレベルまで達したことを喜んでいらっしゃる ー そんな想像をしています。


さて、この組織犯罪と宗教法人S会との関わり ー それは、多くの被害者が訴えています。
次回は、ある「殺人事件」を通し、それを考察したいと思います。



こんな早春の爽やかな日は、あなたの笑顔が思い浮かんでなりません。
来る春があなたにとり健やかなものでありますよう ー 。
ご自愛ください。



                                            2010.3.11
                                                万 留 子



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(41)

D 様



空が雲に覆われています・・・ひんやりとした空気は動きません。
窓の外は、グレーの紗をかけたような燻んだ景色・・・。
ひな祭りも過ぎた3月の午後 ー なのに、今日のこの地にまばゆい光が届きません。

私は、窓越しに空を見上げます。
陽光を覆ったはずの雲は、穏やかな光に満ちていました。
空の彼方では、春が確かな歩みを続けていることを教えてくれたのです。




D様 ー 。

昨日の朝・・・。
夫が、私のところに、脱いだパジャマのズボンを持ってきました。
「これ何のシミかな? 血みたいにみえるけど ー 。」

私は、パジャマを手に取り、その箇所を見ました・・・。
左側の太もも部分に、赤茶色のシミが出来ていました。
竹の葉のような形になっています・・・滴った後を拭いたような ー 。

血・・・どう見ても、それは血痕でした・・・。

「どう見ても血だよね・・・何か、思い当たることはある?」
「いや、どこも怪我してないしー。」

夫の目には「戸惑い」と、微かな「不安」の色がありました
いつ、そして何故、付いたのだろう・・・?

私の脳裏に、3日ほど前の夫の言葉が浮かびました。


「今朝は、膝の調子が悪いな。何かカクカクしてる感じだよ。」

その症状は、この血痕と何か関係があるのではないだろうか・・・?

私もまた、3週間ほど前 ー 自分のシーツに血痕があるのを見つけていました。
直径1cm位のものが2つ ー 。
シーツの血痕は以前にも見つけていますが、また・・・です。

そして、私もまた、膝の関節がギクシャクとし始めました。

「不思議だな・・何か気味が悪いな。」
夫が、パジャマを見たままつぶやきました・・・。


1ヶ月ほど前 ー 。
居間のサッシ戸のクレセント錠がまた壊れていました。
以前壊れて、取り替えた箇所です。まだ1年も経っていません。

朝、戸を開けようとしたら、そのクレセント錠がカクッと落ちてきたのです。
錠の芯が折れていました・・・。

「純正の錠じゃないから、弱く出来てるんだな・・・。」
夫は言いました。

しかし、仮にも錠として、大手のホームセンターで売られているものです。
1年もしないうちに、芯が折れてしまうことなど有り得るのでしょうか・・・。
東側のサッシ戸・・・その錠だけが壊れるのです。

家宅侵入の形跡は続いています・・・。
この組織犯罪の基礎となっているのは、頻繁な家宅侵入 ー 私はそれを実感しています。

家宅に侵入すれば、居住者のプライバシーをすべて覗くことが出来ます。
それは、様々な加害行為をする上でのいい情報になるはずです。

家宅内にどんな細工をすることも自由です。
盗み、器物の破損・汚染、物の移動、薬物混入、不快虫の植付・・・なんでも出来るのです。

そして夜間の家宅侵入・・・これにより、就寝中の被害者に、危害を加えることも容易です。
犯行中に被害者が目覚めることはありません。この犯罪組織は、専門的な薬物を用いるのですー。
それは、多くの被害者が指摘しています・・・。

私は、脳裏に浮かんだことを言葉にしませんでした・・・。
「パジャマは洗濯しておきます。とにかく、夜間の戸締りはもっと念入りに注意しないとね・・・」

夫も最近は、何かを感じ始めているようで、私の言葉を黙って聞いていました。
私の気持は暗鬱でした・・・。



さて、D様ー。
前回、予告したある映画について書きたいを思います。
事実に基づいて作られた映画です。

D様ー。
私は、時々考えます。
この組織の加害者たちは、人間の「心」を、どのようにして失っていったのだろうかと ー 。
そして、10年前に観たある映画を思い出すのです・・・。

それは、スタンフォード大学で行なわれた、ある心理学の実験を基に作られました。
あなたは、もうこの映画がお分かりになったかも知れません。
ドイツ映画「es「エス」」・・・日本での公開は2002年でした。

この映画の基になった心理学の実験 ー それは、1971年にスタンフォード大学で実施されました。
実験者は、心理学教室の教官であったフィリップ・ジンバルドです。

実験の目的は・・・、
「人間の残虐性というもの ー それは、個別的な性質によるものなのか、社会的な役割によって導かれるものなのか ー 。」 それを確かめることでした。


「監獄実験」と名づけられた、この実験の内容は以下の通りです。

まず、被験者が募集されました。
そして、応募してきた人達の中から21名が選ばれました。
ジンバルドが、性格や行動に偏向が少ないと判断した人たちです。

ジンバルドは、選ばれた21名を、ランダムに二つのグループに分けました。
そして、10名を囚人役に、11名を看守役に割り当てました。

被験者たちは、大学の地下室に作られた「監獄」に送られました。
ジンバルドは、「監獄」での彼らの様子を、2週間にわたり観察するのです。

実験が始まりました。

ジルバルドは、被験者たちにリアルに演じてもらうための演出をしました。
まず、囚人役に屈辱感を与えたのです。

囚人役は、パトカーを用いて逮捕され、指紋が採取されました。
次に、看守役の前で脱衣させられ、シラミ駆除剤を散布されたのです。

囚人服も着せられました。 背中と胸に囚人番号を入れたワンピース風の着衣です。
着衣の下は下着なし・・・。
そして、頭には女性のストッキングで作ったキャップ ー 。

さらに、歩行時には片足に南京錠がついた鎖が巻かれました。
また、トイレに行く時は目隠し ー 。

看守役には、それらしいユニフォームを着用させ、囚人役に表情を読まれないようサングラスをかけさせました。

二つのグループは、ジンバルドの予想以上に、その役割になりきったのでした・・・。

囚人役たちが、鉄格子の部屋に入れられました・・・。

実験の開始直後から、囚人役のほとんどが、看守役に媚びへつらうようになりました。
また看守役は囚人役に対し、権威的、暴力的になっていきました。

しだいに看守役は自ら、囚人役に罰則を与え始めました。
反抗した囚人役の一人を、独房に見立てた倉庫に監禁したり、バケツで排便するように強制したり・・・。

看守役は、囚人役たちに、さらに屈辱感を与えるため、靴磨きをさせたり、素手の状態でトイレ掃除をさせたりしました。そして、ついには、禁止していた暴力さえ振るうようになったのです。

ジンバルドはそれを止めるどころか、実験のリアリティーに呑まれていきました。

それは予想を超えるレベルでした。
ジンバルドは実験当初から、危険な兆候を見つけていました。
しかし、役割を演じきる彼らの暴走に、打つ手を失っていったのです。

看守役の虐待行為はエスカレートしていき、囚人役は深刻なストレス性障害が現れました。

耐えかねた囚人役の一人は実験の中止を求めました。
しかし、ジンバルドはリアリティーを追求し、「仮釈放の審査」を受けさせましたが、実験はそのまま続行されました。

囚人役の中には、着衣させた女性用のワンピースのせいか、日常の行動が女性的に変化していった者も数人いたということです。

やがて、囚人役の一人が精神錯乱となりました。
そして離脱 ー 。

また看守役は、精神的に追い詰められた一人の囚人役を、独房(倉庫)に移し、他の囚人役たちに、彼への非難を強制しました。・・・そして、この囚人役も離脱 ー 。

そんな中で、離脱した囚人たちが、仲間を連れて襲撃に来るという情報が入りました。
ジンバルドは、一時、実験場を地下から5階に移す措置をとりましたが、やがて、これは囚人役の一人の願望に過ぎないことが判明しました・・・。


ジンバルドは、実際の監獄でカウンセラーをしている牧師に、囚人役を見てもらいました。実験における囚人と、現実の囚人を比較させたのです。

牧師は、囚人役たちは、「実際の囚人の初期症状と全く同じである」と指摘しました。
そして、実験にしては出来過ぎだと非難したのです。

ついに、牧師が家族に連絡しました。
そして、家族が弁護士を連れて来て、実験中止を求めるという事態になったのでした。

実験は、6日間で中止になりました。
予想以上の問題点を露呈して・・・・。


この実験は、通常の人間が、残虐な行動に走っていく過程を炙り出しました。
看守役と囚人役は、ランダムに分けられたのにも関わらず、看守役になった者たちは、その役割に与えられた権限を、必要以上に行使しました。
囚人役に対し、躊躇することなく残虐行為を続けたのです。

つまり、人間の残虐性というものは、個別の性質によるものではなく、その社会的な環境、及び役割で誘発されていくということが分かります・・・。

しかも、この実験が、わずか6日で終わらなければならないほど、短時間のうちに、その問題点は表出したのでした。

ジンバルドは、この実験後10年以上も被験者へのカウンセリングを続け、実験によるトラウマを取り除きました。              
                                                                                             (参考資料:ウィキペディア)



映画「esエス」は、この心理学実験を基にして作られました。
実際の実験は、6日で終了したのですが、映画では事態への制御が出来なくなっていきます。
暴走する看守役に、囚人役たちは、命の危険すら出てくる事態となるのです。
そして、2名の死者を含む、多数の死傷者が出るという惨劇になっていきます。


この映画は、私を呆然とさせました。
人間は、役割や立場によってこんなにも変わるものなのかと・・・。

個別にそなわった性格、そして知性はどこにいってしまうのでしょう?

圧倒的に優位な立場にある者は、弱者に対し、こんなにも権威的になり、その権限の暴走を制御出来なくなるものなのか・・・果ては残虐な暴力行為 ー 。

この実験の結果は、アウシュビッツ収容所における、ユダヤ人への残虐行為の責任所在を考察することが出来ます。

事実、この「監獄実験」よりに先に行なわれた実験に、「ミルグラムの実験」があります。
別名「アイヒマン実験」と呼ばれています。

ナチスドイツの将校アイヒマンから名付けられました。
彼は、ユダヤ人虐殺の責任者でした。ユダヤ人であるミルグラムは、ホロコーストが起きたメカニズムを理解するため、権威への服従実験を行なったのです。

つまり、「アイヒマンを始め、虐殺に加わった者たちは、単に命令に従っただけなのか ー ?」という疑問の答えを、実験により見出そうとしたのでした。


D様 ー 。
この実験は、あなたも当然ご存知だと思いますし、一般にも知られていますので詳細な説明は省かせていただきます。

内容を簡単に言えば、被験者がもう一方の被験者に、強い電気ショックを与えるというものです。
「学習における罰の効果を見る」と、説明された被験者が、答えを間違えた相手に、電気ショックを付加するボタンを押すのです。

電気ショックのレベルは間違えるたびに上がり、高レベルになると凄まじい苦痛を感じる設定になっています。
被験者は、どのレベルまでボタンの押し続けるのか・・・。

(実は、電気ショックを与えられる側は、苦痛の演技をしているだけなのですが、被験者はそれを知りません。)

この実験の結果も、予想に反するものでした。
被験者は、苦痛に叫び声を上げる相手に、高レベルまで電気ショックを与え続けたのです。


この二つの実験結果から、私が思うことは ー 。
人は、絶対的な権威の後ろ盾で、人間の心を失っていくものなのだと・・・。
「理性」と「良心」、そして「思考力」すら失われていきます。
権威の忠実な番犬となっていくのです・・・。



D様 ー 。
集団ストーカーと呼ばれるこの組織犯罪にも、この実験結果は当てはまります。
この犯罪は、加害者側が圧倒的に優位な立場で、被害者をターゲットにしているのです。

一人のターゲットに対し、多人数の加害者がいます。
そして、その主体となっているのは、この日本の隅々にネットワークを張り巡らし、予算も人員も潤沢に備えた組織です。犯罪の隠蔽すら出来る立場にあります。

この実験における力関係と同じなのです。
そして、この組織犯罪の加害者たちが、人間性を失っているのも確かなこと ー 。

この組織犯罪は、「犯罪」というカテゴリーにおいて、「悪らつさ」「卑劣さ」は、最高レベルに入るはずです。

人は、自分が優位の立場にいて、相手からの反撃がないことが分かると、その残虐性を止め処なくエスカレーさせていく・・・ジンバルトの「監獄実験」はそれを顕著にしました。


しかし、D様 ー 私は思うのです。
ならば、権威というバックグラウンドで行なわれた犯罪は、実行者にその罪の責任は問えないのかと・・・?

この組織犯罪の責任所在はどこなのか・・・。
それは、この組織の「長」であることは確かです。
しかし、実行者たちもその罪を免れることは出来ない ー と私は考えます。

私たちは、すでに60年以上も前にそれを学習しています。
アウシュビッツ収容所における残虐行為・・・・彼らは人間性の根幹に背いたのです。
命令した者も、実行した者も ー 。

そして今、この日本において行なわれている組織犯罪・・・被害者たちの悲鳴はこの国の全土におよんでいます。集団ストーカーと言われるこの犯罪は、否定しようのない事実なのです。

今までにどれほどの人が、この犯罪の犠牲になったことか・・・。

それは、被害者を精神異常者だとして隠ぺいされてきました。
「有り得ない」「妄想だ」「統合失調症だ」と・・・。

しかし、科学技術は今、私たちの想像の域を超えるレベルにまで発達しています。
被害者が訴える被害内容は、決して妄想ではないと証明されているのです。
それが、社会的に認知されつつあります・・・。



D様 ー 。
先日、私はある被害女性のブログを見て驚きました・・。

それを次回の手紙に書かせて戴きます。




底冷えのする不順な天候が続いています。
どうか、ご自愛くださいますよう ー 。



                                   2010.3.4
                                         万 留 子




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ミセスまるこ

Author:ミセスまるこ
命ある限り書き続けます。

記事のアップが遅くなってしまいました。お詫び致します。

記事をアップしようとすると、動作がフリーズするのです。異様な重さのあと、「表示できません」の画面となります。
接続診断をしても、問題はなく・・・遠隔操作による悪質な妨害だと考えています。

アップまでに何時間もかかってしまいました。それでも、私は書くのを止めることはありません。今後とも応援していただければ幸いです。


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<初めて御訪問の方へ>

この小説は、どの回もほぼ独立した形式になっています。繋がりがあるとしても、その回の前後だけです。でも、時間があれば(1)から読んで頂ければ嬉しく思います。そして、今後ともよろしくお願い致します。
尚、この小説は事実をもとに書かれています。


<記事の更新>
毎週木曜を予定

※この小説の舞台となっているのは下記の地域です。

福島県双葉郡富岡町本岡字本町


※上記写真の犬を見かけた方は御連絡下さいますようお願いします。今年8月に、突然、いなくなりました。

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